2005.05.16

【ASCO2005速報】 前立腺上皮内腫瘍に対するトレミフェン20mg投与で前立腺癌発症を有意に予防

 ハイグレードの前立腺上皮内腫瘍(prostatic intraepithelial neoplasia:PIN)が見つかった患者に対して、選択的エストロゲン受容体モジュレーターのトレミフェン20mgを投与することで、1年後の前立腺癌の発症率を有意に減らす効果があることがわかった。米Regional Urology(ロサンゼルス)のDavid Price氏らが、第2相後期臨床試験の結果明らかにしたもので、5月14日の一般口演で発表した。

 これまでの研究から、ハイグレードPINの認められた人の30%以上で、1年以内に前立腺癌を発症すると考えられているが、PINの効果的な治療法はないのが現状だという。Price氏らの研究グループは、ハイグレードPINが認められ、前立腺癌が見られない514人を4群に分け、トレミフェン20mg、40mg、60mg、プラセボを、それぞれ1日1回投与した。追跡中、6カ月後と12カ月後に生検を行った。

 その結果、12カ月後に前立腺癌の診断を受けたのは、プラセボ群では31.2%だったのに対し、トレミフェン20mgでは24.4%だった(p=0.048)。これは、ハイグレードPIN患者100人につき、1年で6.8人の前立腺癌発症を予防できる計算になるという。

 さらにPrice氏らは、6カ月時点の生検で前立腺癌が見つかった人については、試験開始時の生検で見逃した可能性もあると考え、開始時と6カ月時点で前立腺癌の認められなかった患者について、サブグループ解析を行った。その結果、12カ月時点で前立腺癌が見つかったのは、プラセボ群では17.4%だったのに対し、トレミフェン20mg群では9.1%に留まった(P<0.045)。なおこのサブグループ分析については、「6カ月時点で前立腺癌が見つかった人が、実際、試験開始時にその癌が見逃されたのかどうかは、全くわからない」とする、批判の声が上がっていた。(Andrew Ten Have・當麻 あづさ、医療ジャーナリスト)

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