2005.04.07

サントリー、ビール中に含まれる消化管運動促進物質の構造決定と合成に成功

 水では到底飲めない量でもビールなら楽に飲めるのは、味やアルコールの効果もさることながら胃腸の動きを促す成分が含まれているためだったようだ。サントリーは4月7日、同社と静岡大学などの共同研究で、ビールに含まれる消化管運動促進物質の単離と構造決定、合成に成功したと発表した。研究成果は3月3日〜4日に東京・六本木で開催された第25回アルコール医学生物学研究会学術集会で発表した。

 研究を行ったのは静岡県立大学薬学部助教授の糠谷東雄氏らとサントリー生物有機化学研究所、サントリー、ナード研究所。ビールに存在することが予見されていた消化管運動促進物質2種類の構造を決定した。1つは大麦に含まれる誘導成抗菌物質「ホルダチンA」、もう1つがホルダチンAの幾何異性体で、これまで知られていない新規化合物(以下MLT)であることが明らかになった。

 研究グループはホルダチンAとMLTの化学合成にも成功した。サントリーは2002年にビール中の成分が消化管平滑筋に存在するムスカリンM3受容体を直接刺激することで消化管運動を促進することを突き止めている。今回、合成したこれらの消化管運動促進物質が、ムスカリンM3受容体に対して強い結合活性を示すことを確認している。

 同社では今後、合成した新規物質が持つ消化管運動促進効果を生かした飲料や食品の商品化を検討していくとしている。

 サントリーのプレスリリースはこちらまで。(田村嘉麿)

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