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2005.04.06

【裁かれたカルテ】 被告席の医師は何を思うのか その2 「正しい判例を勝ち取るためにも示談にすべきではない」

■被告というレッテルがこたえる■

 裁判所から通知が届く以前に、W.D氏は新聞記者の電話取材で自分自身が提訴されたことを知った。

 「改めて勉強し直してみて、自分の処置法を振り返ってみても、特段の過ちはなかったと思っていました。それならば亡くなった方も分かってくれただろうと考えていたわけです。そこへ取材です。青天のへきれきでした。『訴状が出ていますが、先生はどうなさいますか』と尋ねられました。これに対しては、『訴状を見てみないとなんとも分からんけれども、私は医学的には間違ったことはしていないと思う。だから、もうこれは裁判の上で間違いなかったと立証していかなければしょうがないと思う。そのことが亡くなった方に対する冥福を祈ることにもなる』。そんなコメントをしたと思います」。

 新聞には実名が載った。「被告W.D氏。この被告という呼び方がやっぱりこたえましたね。刑事訴訟と民事訴訟の区別が私たちには分からない。今まで聞いている被告というのはすべて刑事訴訟における被告、つまり罪人という理解だったんです。私は罪は犯していないんだという自信があるのに、被告というレッテルを張られ、世間も被告という目で見るんです。刑事訴訟の被告しか頭にないから、罪人というイメージしかない。そういう立場に私を立たせたという思いがあって余計にショックでした」。

 新聞に記事が出た後、W.D氏あてに非難の電話が殺到したという(詳細は有料ネット講座「まさかの時の医事紛争予防学」へ)。