2005.03.20

【日本循環器学会2005速報】 薬剤溶出ステントはステント内再狭窄と心疾患イベントの減少に有効−−韓国の研究

 薬剤溶出ステントはステント内再狭窄と心疾患イベントを有意に減少することができる−−。韓国Gachon Medical SchoolのSeung Hwan Han氏(写真)は、Drug-Eluting Stent(DES、薬剤溶出ステント)の有効性を確認、3月20日に開催されたFeatured Research セッション「New PCI Technique」で発表した。

 Han氏らが使用したのは、血栓形成予防効果を持つ生体膜類似物質であるPhosphorylcholineをステントの表面にコーティングした「BiodivYsioステント」で、デキサメタゾンを溶出するように設計したもの。デキサメタゾンは抗炎症効果があり、また拒絶反応を抑制する効果もあることから採用した。  

 研究グループは、この薬剤溶出ステントと非薬剤溶出ステントを使い、韓国内の患者を対象に臨床的な効果を確認した。対象は92例(98病変)。薬剤溶出ステント群は67例(71病変)。非薬剤溶出ステント群は25例(27病変)。

 試験では、心疾患イベント対象を新病変とし、直径は2.75〜4.0mmとした。薬剤溶出ステントでは、20mg/mlのデキサメタゾンを含み、ステントの1mm当たり50μgが溶出するように設計。血管造影によるフォローアップは、薬剤溶出ステントで80.3%、非薬剤溶出ステント群で77.8%だった。

 一次エンドポイントは12カ月の心臓における主要有害事象(MACE)の発生率で、二次エンドポイントは6カ月の血管形成術の実施率とした。

 患者背景は、平均年齢が60.6歳、男性が58%、女性が42%。また、糖尿病が38%にみられ、高コレステロールが33%に、高血圧が57%に、それぞれみられた。

 結果は、一次エンドポイントとしたMACE率は、薬剤溶出ステント群が9.9%で非薬剤溶出ステント群の29.6%に比べて有意に低下した(p=0.026)。また、二次エンドポイントである6カ月の血管形成術の実施率は、薬剤溶出ステント群が12.1%で非薬剤溶出ステント群の42.9%に比べて有意に低下した(p=0.003)。なお、再狭窄の面では、損失係数=内径損失/獲得内径をみると、薬剤溶出ステント群が0.37±0.33で、非薬剤溶出ステント群の0.65±0.31より減少していた(p=0.001)。(三和護、医療局編集委員)

Information PR

ログインしていません

Close UpコンテンツPR

ログインしていません

もっと見る

人気記事ランキング

  1. 入試不正なんてどこにでもある。何をいまさら… 特集◎波紋広がる東京医大の入試不正事件《5》私立大卒医師匿名座談会 FBシェア数:75
  2. 「絶食、スルバクタムアンピシリン」でいいの? 吉松由貴の「誤嚥性肺炎、診療の知恵袋」 FBシェア数:193
  3. 70歳代男性。食思不振、湿性咳嗽 日経メディクイズ●胸部X線 FBシェア数:0
  4. 発症後4.5〜9時間の脳梗塞にもtPAは有効 特報◎第11回世界脳卒中会議(WSC2018) FBシェア数:276
  5. 臥位の腹部X線でもイレウスを発見できる 西野徳之の「実践! 消化器ローテク診療」 FBシェア数:98
  6. 骨粗鬆症診療では診断基準のみをアテにするな 宗圓聰の「総ざらい骨粗鬆症診療」 FBシェア数:10
  7. 「優秀だから」指導してもらえない中途採用者 院長を悩ます職員トラブル大研究 FBシェア数:14
  8. 2回心停止した重症外傷患者の生還 シリーズ◎忘れられないカルテ FBシェア数:12
  9. 裏口入学の斡旋を「無視してよかった」 シリーズ◎医師を狙う悪い奴ら《5》手口の実態(後編) FBシェア数:33
  10. 採血を失敗し、患者に激怒された 患者とのコミュニケーション困難事例と対処法 FBシェア数:49
医師と医学研究者におすすめの英文校正