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2005.03.11

【第29回 九州リウマチ学会速報】 画像上、脳梗塞と見分けがつかなかったCNSループス

 画像上は脳梗塞と見分けがつかない中枢神経性(CNS)ループスに対し、ステロイドとシクロフォスファミドのパルス療法が効果を発揮した症例について、山口赤十字病院内科の井上久子氏が3月5日の一般口演で報告した。

 全身性エリテマトージス(SLE)と診断され、ステロイド服用を始めていた30歳代の女性に発熱と意識障害があり、精査目的で入院した。SLEの活動性亢進と脳波の軽度異常からCNSループスと診断し、ステロイドパルス療法を開始したところ、痙攣が起こった。

 ステロイドパルス療法後も意識障害と発熱が続いたため、MRIを施行したところ、画像上は脳梗塞様の症状だったが、脳梗塞を起こす背景もなかったため、浮腫に対する治療を実施した。

 その後、左の上肢不全麻痺とループス網膜炎に伴う視力障害を起こしたため、ステロイドパルス療法に加えて、免疫抑制剤であるシクロフォスファミドの点滴(IV-CY)パルス療法を追加したところ、2週間後には麻痺、視力低下とも軽快し、解熱した。梗塞様の病変については痕跡を残さずに軽快した。

 井上氏は、「CNSループスのMRI所見としては、1.比較的大きい領域を含む梗塞巣、2.多発性の小梗塞巣、3.灰白質を中心とする高信号変化があるとされる。本症例でもよく見ると灰白質を中心として変化があり、白質は保たれていた」と言う。

 また、「画像は梗塞様であり、放射線部や神経内科も脳梗塞以外には考えにくいとの診断だったが、限局的な浮腫を見ていたと考え、CNSループスに対する治療を継続した」としている。CNSループスはSLEの併発症としては比較的多く、治療に当たっては脳血管障害などとの鑑別が重要になる。(中沢真也)