2005.02.02

【日本消化管学会速報】 ブロッコリースプラウトで胃炎が治る? 進行中の臨床試験で有効性示す結果出る

 癌予防に効果的だとして人気があるブロッコリースプラウト(ブロッコリーの新芽)を食べることによって胃炎の症状が良くなる――。こんな研究結果が、1月28〜29日に開催された第1回日本消化管学会総会で報告された。

 これは、筑波大学人間総合科学研究科病態制御医学専攻の谷中昭典氏が発表した研究。谷中氏らは、ブロッコリースプラウトに含まれるスルフォラファンという成分が抗酸化作用と抗ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)作用を持つというin vitroレベルでの論文に注目し、H.ピロリ感染マウスによる検討とH.ピロリ感染者に対する臨床試験を行った。

 120匹のマウスを、H.ピロリ陽性群とH.ピロリ陰性群に分けた。そして、それぞれの群を高塩分食群と通常食群に分け、さらに、ブロッコリースプラウトを加える群と加えない群に分けた。2カ月間の摂食の後、胃粘膜の変化などを検討したところ、ブロッコリースプラウトを加えた群では、他群に比べ、H.ピロリ数の減少や胃粘膜萎縮の進行抑止などの効果がみられた。

 これを受けて、H.ピロリ感染者60人(ボランティア参加)を、30人ずつに分け、それぞれにアルファルファもしくはブロッコリースプラウトを1日100gずつ8週間毎日食べてもらう実験を始めた。実験前後に、便中H.ピロリ抗原と血清ペプシノゲン値を測定し、H.ピロリ数と胃炎の程度を評価した。

 実験は進行中で、まだ、ブロッコリースプラウトを8週間食べた9人分のデータしかない段階だが、摂食開始から4週間後、8週間後のいずれも、血清ペプシノゲン値は有意に低下し、炎症程度の改善が示唆される結果となったという(P<0.05)。

 谷中氏は、「ブロッコリースプラウトは、活性酸素の働きを抑制する、いわゆるラジカルスカベンジャーとして働き、炎症を抑えると考えられる。まだ実験は途中の段階なので、さらに検討を進めていきたい」と話している。(小又理恵子)

Information PR

ログインしていません

Close UpコンテンツPR

ログインしていません

もっと見る

人気記事ランキング

  1. 73歳女性。左II趾の隆起する淡紅色局面 日経メディクイズ●皮膚 FBシェア数:0
  2. 「発光する」鈎、暗い術野を明るく照らす トレンド【動画付き】◎小切開手術に役立つコードレス鈎 FBシェア数:181
  3. 「暴れる患者」をどうしていますか? 薬師寺泰匡の「だから救急はおもしろいんよ」 FBシェア数:73
  4. 風疹流行、2013年の悪夢を繰り返すな 忽那賢志の「感染症相談室」 FBシェア数:316
  5. 銀杏の食べ過ぎで小児が痙攣を起こす理由とは 松本康弘の「極める!小児の服薬指導」 FBシェア数:69
  6. 風疹の流行、首都圏から全国へ拡大か パンデミックに挑む:トピックス FBシェア数:49
  7. 外来患者自殺で開業医有責、現場で高まる懸念 リポート◎東京高裁が1審覆し自殺企図患者への対応の過失を認定 FBシェア数:1349
  8. 糖尿病、5つの危険因子の管理でイベント増えず 循環器・糖尿病診療のNew Stage◎LECTURE FBシェア数:151
  9. 67歳男性。自宅の玄関で倒れていた患者 日経メディクイズ●神経内科 FBシェア数:0
  10. 自院のHP、「記載内容の限定解除」って何? 診療所経営駆け込み寺 FBシェア数:12
医師と医学研究者におすすめの英文校正