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2005.01.27

【ヘルスケア2005速報】 小学校隣接という立地を活かして小規模多機能に成功

 医療システム研究所の井上博文氏は1月27日、ヘルスケアフォーラム2005のアドバンスセッションで、「小規模多機能」施設の成功の要因として、小学校の隣接地という立地条件を生かし、学童保育を展開するなどの地域密着の働きかけを挙げた。同氏は、介護保険の見直しに先駆けて、小規模多機能施設である「せんだんの杜なかつやま」を設計した実績がある。

 なかつやまは、宮城県桃生町にある東北福祉大学の関連法人が経営する複合サービス施設。デイサービスと9室のグループホームに加え、独自のショートステイ事業を組み合わせて2003年3月から運営している。現在、議論されている小規模多機能のモデル的存在といえる。

 同施設は、小学校に隣接した幼稚園跡地に建設されたもので、設計者の井上氏の考えで、小学校との境界にはフェンスなどを設置せず、行き来を自由にし、遊具の一部もそのまま残すなどの工夫を加えている。さらに独自の予算で建設したショートステイの居室を利用して、学童保育を手がけ、高齢者と地域の児童が自然な形で交流できるよう心がけているという。

 小規模多機能施設を定着させるには、「利用者とその家族だけが訪れる施設にはせず、地域にオープンにする工夫が必要だ」と井上氏は強調する。現在、同じ宮城県仙台市でデイサービスと保育園、高齢者向けアパートを組み合わせた「シンフォニー将監」という民間施設も手がけているが、ここでも地元の画家に施設の壁画の作成を依頼するなど、地域とのつながりを重視した仕掛けを取り入れているという。(MedWave編集部)