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2004.12.06

喫煙による健康被害の賠償をタバコ会社のCEOに求める判決下る

 British Medical Journal誌12月4日号のNews Extraによると、イスラエルのJerusalem地方裁判所で11月末、タバコによる健康被害の賠償責任をタバコ会社のCEOに個人的に問うという世界初の判決が下った。

 被告Zorah Gehl氏は、イスラエルのタバコ専売会社Dubek社の最高経営責任者を1970年から1990年代半ばまで務めた。同氏は退職後、同社の不正行為、所得税回避、その他の悪行が暴露される恐れのある裁判から逃れるため、英国に移住した。が、1月に予定されている最高裁での判決で勝訴しない限り、帰国を余儀なくされる。

 イスラエル国民の約6割をカバーする公的保険基金Clalit Health Serviceが、イスラエル内外のタバコ会社数社を相手取って20億ドルの損害賠償を求める民事訴訟を起こしたのは6年前。被告には、Dubek社、British American Tabacco社、Philip Morris社等が含まれている。原告は、タバコ会社は魅力的な広告や中毒性の高い成分を追加するなどしながら、危険な製品を供給してきたと非難し、喫煙に起因する病気の治療費の賠償を要求した。また、基金代表のZev Vurmbrand氏は2002年、英国在住のGehl氏の告訴を可能にするため、関連する証拠を基に特別の訴訟手続きを開始した。

 Jersalem地方裁判所の裁判官Yosef Shapira氏は今年2月、Clalitがタバコ会社を直接訴えることはできないと判断した。が、その後、Clalit代理として弁護士のAmos Hausner氏が提出した証拠を受理した。それらは、Gehl氏がタバコ供給会社との交渉にあたった唯一の人物であったこと、そして、イスラエルを脱出した後も密接な関係は維持されていたことを示した。Shapira氏は、それら証拠の意味を認め、Dubek社が購入するタバコの種類、タバコの製造工程、タバコに添加される中毒性物質の種類や量の決定にGehl氏が重要な役割を果たしたと判断して、今回の判決に至った。

 弁護士で反タバコ活動家のHausner氏にはそれ以来、これを判例としてタバコ会社重役の告訴を考える世界各国の弁護士から、多くの質問が寄せられているという。

 原題は「Tobacco chief could be held personally liable for damage to smokers」、全文がこちらで閲覧できる。
(大西淳子、医学ジャーナリスト)