2004.11.29

<編集委員の目> 消えた「段階的な見直し」、事業税の非課税廃止へ意欲示す?

 11月25日、政府税制調査会は「平成17年度の税制改正に関する答申」を公表した。医療関係では、診療報酬に対する事業税の非課税措置を、「速やかに撤廃すべき」としている点が注目される。昨年の答申では、「少なくとも段階的な見直しが必要」という文言もつけ加えられていたが、今回はそれが削除されているのだ。

 現在、個人開業医も医療法人も、診療報酬収入から生じた所得については、都道府県税の1種である事業税は課されないことになっている。この規定は、必要経費を概算できる所得税・法人税のいわゆる「四段階税制」と並んで、医師優遇税制の中心的存在と言っていい。

 事業税の非課税措置の廃止は、これまでも租税収入が伸び悩み国の財政赤字が膨らむ折に、しばしば取り沙汰されてきた。そのたびに日本医師会が強硬に反対し、今日まで存続してきた経緯がある。だから、今回の答申のトーンが少し強くなったところで、あまり深刻に考える必要はないのかもしれない。

 だが、今回の政府税調の答申全体からは、所得税の定率減税の廃止や将来的な消費税率の引き上げなど、増税色が強くにじみ出ている。国民に負担を強いるこうした改正項目が実行に移されれば、医療機関を対象とした特例措置に対し、これまで以上に強い不満の声も上がるはずだ。

 となれば今回の文言の変更は、「段階的な見直し」では手ぬるいという政府税調の意思の表れとみることもできる。「出資額限度法人」という、より公益性の高い医療法人が事実上制度化されたこともあり、今後、税制上の優遇措置を得られる医療機関の条件が厳しくなっていくことは十分予想できる。

 税制を改正するに当たり、実権を持っているのは自民党の税制調査会だ。来月中旬の答申に向けて、診療報酬に対する事業税の非課税措置についてどのような議論が行われるか注目していきたい。(井上俊明、医療局編集委員)

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