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2004.11.16

2型糖尿病患者の動脈硬化に対する治療は不十分

 糖尿病患者の多くが心臓血管系疾患で死亡する。にもかかわらず、心臓血管系疾患の発生率と死亡率を下げる効果が明らかな薬剤が、十分に投与されていないという。British Medical Journal誌11月13日号のNews roundupは、Candian Medical Association誌11月9日号に掲載された、カナダの研究者らによる論文を紹介している。

 2型糖尿病でアテローム性動脈硬化の症状を示す患者に適切な治療が行われない理由は、「glucocentricな視点」にあるのではないか、と論文は述べている。

 glucocentricとは、血糖値の管理のみを重視し、糖尿病患者に多い、冠動脈疾患、高血圧、異常脂質血症などに目を向けない姿勢を言う。

 論文には、カナダの2型糖尿病患者1万2106人を5年間(1991〜1996)追跡した調査の結果が報告されている。それによると、抗血小板薬またはスタチンを投与されている患者は全体の25%以下で、ACE阻害剤でも50%以下に留まった。糖尿病患者のうち、冠動脈疾患の症状を示している患者の方が、そうでない患者に比べ、これら3剤を投与されている割合は高かった。それでもなお、抗血小板薬が投与されていたのは全体の37%の患者で、スタチンでは29%、ACE阻害剤で60%だった。同様の傾向は、脳血管疾患や末梢動脈疾患でも見られた。

 糖尿病患者の中で、3剤とも使用していたのは、冠動脈疾患の症状を呈する患者の11%、脳血管疾患の症状を示す患者の22%、末梢動脈疾患患者の12%だった。末梢動脈疾患で下肢を切断された患者には、術後、抗血小板薬またはスタチンの投与が中止される傾向が強かった。この病気は、2型糖尿病の成人患者の4分の1〜2分の1に見られ、5年生存率は低い。従って、糖尿病患者の中からアテローム性動脈硬化があるハイリスク者を選出、十分な治療を行うことが緊要が示された。

 引用されている論文のタイトルは「Evidence of suboptimal management of cardiovascular risk in patients with type 2 diabetes mellitus and symptomatic atherosclerosis」、アブストラクトはこちらで閲覧できる。BMJ誌の記事のタイトルは「Heart disease in diabetic patients is undertreated」、こちらで公開されている。(大西淳子、医学ジャーナリスト)