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2004.11.11

冠動脈性心疾患でHDL値が低めの人に対し、スタチンにナイアシンを併用するとアテローム性動脈硬化の進行を遅延

 冠動脈性心疾患で高比重リポ蛋白(HDL)コレステロール値が低めで、既にスタチンを服用している人に対し、ナイアシンを併用すると、アテローム性動脈硬化の進行を遅らせる効果があることが分かった。スタチン単独よりもナイアシンとの併用で、心臓や血管に対する有効性があることを示す研究結果は、これが初めてという。米Walter Reed Army Medical CenterのAllen J. Taylor氏が、11月10日のレイトブレイキング・セッションで発表した。

 Taylor氏らは、冠動脈性心疾患の患者で、スタチンを服用しており、HDLコレステロール値が45mg/dL未満の167人を対象に、試験を行った。被験者の低比重リポ蛋白(LDL)コレステロール値は130mg/dL未満で、平均値は89mg/dL、HDLコレステロール値の平均値は40 mg/dLだった。研究グループは被験者を2群に分け、一方には徐放性ナイアシン1000mg/日を、もう一方にはプラセボを投与した。

 1年後に、頸動脈内膜中膜肥厚(CIMT)について調べたところ、スタチンのみを投与したプラセボ群では有意に増加した(+0.044mm、p<0.001)のに対し、スタチンにナイアシンを併用した群では、試験開始時と有意な変化は見られなかった(+0.014mm、p=0.23)。スタチン+ナイアシン群はスタチン+プラセボ群に比べ、CIMTの進行を68%引き下げることができたことになるという。

 同発表のコメンテイターで米Northwestern大学のPhilip Greenland氏は、「スタチンでLDLコレステロール値を引き下げただけでは、1年後にCIMT が悪化してしまった。LDL値を下げるとともに、ナイアシンなどの併用でHDLコレステロール値を引き上げることの重要性が確認された。一方で、より積極的にスタチンを投与して、LDLコレステロール値を同試験より低く下げた場合、どんな結果が出るのだろうかという疑問は残る」と語った。

 なお同研究結果は、発表と同時に、米国心臓病学会の雑誌であるCirculation誌にオンラインで発表されている。
(アンドリュー・テンヘイブ、當麻あづさ、医療ジャーナリスト)