2004.11.10

【AHA2004速報】 救急通報者への質問を3項目増やしただけで、心停止見逃しが3分の2に減少

 米国で救急通報者に対し、通報を受けた側が行う質問を3項目増やしたことで、通報時の心停止見逃しが約3分の2に減ったことが分かった。米国では救急通報をすると、受けた側が患者の容体について質問し、心停止だと考えられる場合には通報者に心肺蘇生法(CPR)をするよう指導する。ところが、医療機関外で発生した心停止の約4割までで、通報者が心停止時のあえぎ呼吸を正常な呼吸と誤解してしまうことなどから、CPRが実施されないのが現状だという。これは、米Texas大学のAhamed Idris氏が、11月8日のポスターセッションで発表した。

 Idris氏らは、テキサス州ダラスで救急通報を受けた場合、心停止時のあえぎ呼吸を見極めるための質問項目を加えた。

 具体的には、(1)患者は目がさめていて、意識がありますか?、(2)患者の呼吸は正常ですか? 呼吸を数えて、その音について描写して下さい、(3)患者は動いていますか?−−の3項目。

 そして質問項目を増やす前8カ月と、その後4カ月について、医療機関外で発生した心停止について調査した。その結果、通報時に心停止を見逃した割合は、質問開始前は28%だったのに対し、質問開始後は18.8%へと、大幅に減少した(p=0.0012)。なお調査期間中に医療機関外で発生した心停止は、合計962人だった。

 Idris氏は、救急通報時の心停止の見逃しを減らすことで、早期にCPRを開始でき、患者の生存率を上げることができるはずだとしている。なお調査を行ったダラスの一部地域では、同研究結果を元に、救急通報時に上記の質問項目を追加することに決めたという。Idris氏はまた、「次にすべきことは、あえぎ呼吸を認識できるようにするための一般向けの教育だ」と語った。
(アンドリュー・テンヘイブ、當麻あづさ、医療ジャーナリスト)

Information PR

ログインしていません

Close UpコンテンツPR

ログインしていません

もっと見る

人気記事ランキング

  1. 製薬企業と医師との付き合い方はどう変わる? ニュースウォッチャー井上雅博の「世相を斬る」 FBシェア数:387
  2. 学会はスーツで行くべきなのか 倉原優の「こちら呼吸器病棟」 FBシェア数:804
  3. 若年男性に生じた腹痛、必ず聞くべきことは? カンファで学ぶ臨床推論 FBシェア数:1
  4. お尻に注入しないで!(食事中に閲覧しないで) 薬師寺泰匡の「だから救急はおもしろいんよ」 FBシェア数:413
  5. 脳梗塞超急性期のEarly CT signとは 今さら聞けない画像診断のキホン FBシェア数:1
  6. いざ本番!失敗しない「試験直前の過ごし方」 総合内科専門医試験 「一発合格」への道 FBシェア数:41
  7. 民間病院から大学教授を毎年輩出する秘訣 東謙二の「“虎”の病院経営日記」 FBシェア数:63
  8. 病院の「介護医療院」転換に予想外の傾向! 日経ヘルスケアon the web FBシェア数:34
  9. 最年少教授が拓く「臓器の芽」による新移植医療 特集◎再生医療はここまで来た!《4》 FBシェア数:300
  10. 心筋梗塞に倒れたヘビースモーカー小泉八雲 病と歴史への招待 FBシェア数:13
医師と医学研究者におすすめの英文校正