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2004.11.02

臓器や組織の移植前にHIVとHCVを検出するNAT検査が必要

 フランスの研究者らは、HCV、HIVに対する血清反応陰性の臓器・組織提供者に由来する血清検体にNAT(核酸増幅検査)を適用、移植の安全性向上を目的としてこの技術を用いることの重要性を示した。詳細はLancet誌10月30日号に報告された。

 血液バンクは、HIVとHCVのRNAの検出にNAT検査を用いている。が、臓器や組織の移植については、ウイルス感染の危険性を伴うのに、抗体検査しか行われていない。実際に脳死となったHCV血清反応陰性者から臓器、組織の提供を受けた40人のうち、少なくとも8人がHCVに感染した例がある。再試験では、血清反応は陰性だったが、HCVのRNAが検出された。

 今回対象となったのは、脳死からの臓器提供者2236人、生体からの組織提供者636人、177人の角膜提供者(死者)だ。移植前に採取された血清に、Chiron社の「Procleix」HIV-1/HCV検査システムを適用、TMAアッセイを行った。陽性となった検体には確定診断のための定性検査として、リアルタイムPCRによるHIV RNA検査とRoche社の「Amplicor HCV」検査を実施した。抗体検査も再度行った。その結果、HCV血清反応陰性の臓器提供者2119人から、5人のHCV RNA陽性者が見つかった。

 HCV血清反応陰性の組織提供者631人の中にはRNA陽性者が1人がいた。HIVについては、血清反応陰性で、RNAが陽性となった人はいなかった。これらのデータは、NAT検査の常用により移植によるウイルス感染が予防できることを示した。生体からの移植の場合、実施の主な障壁はコストだが、脳死者からの移植では時間との戦いになる。それらの問題の解決に取り組む必要があるだろう。

 論文の原題は「HIV and hepatitis C virus RNA in seronegative organ and
tissue donors」、概要はこちらで閲覧できる(Lancet誌のサイトへの登録が必要です)。 (大西淳子、医学ジャーナリスト)