2004.10.22

インフリキシマブ3mg/kgによる1年間の治療では、重篤な感染症の合併頻度は増加しなかった−−欧米12カ国共同のSTART試験より

 欧米12カ国の医療機関が参加し、インフリキシマブの有効性と安全性を評価する目的でSTART試験が実施された。米国Arizona大学のDavid Yocum氏(写真)らは、本学術集会にて、当演題のほかにもSTART試験の有効性データを報告しており、ここでは主に安全性を中心とする追加報告を行った。

 START試験(試験プロトコールについてはこちらを参照)では、MTX単独群(以下プラセボ群)に361例、インフリキシマブ3mg/kg群に360例、同10mg/kg群に361例が無作為化された。なお、プラセボ群では22週以降、倫理的観点からインフリキシマブ3mg/kgが投与された。

 22週時点における重篤な感染症の発症頻度は、プラセボ群が1.7%、インフリキシマブ3mg/kg群が同じく1.7%と、これらの群に差は見られなかった。インフリキシマブ10mg/kg群で副作用が若干高かったが、患者背景として重症例が多く、ステロイド併用による影響が考えられた。

 また、経過観察期間終了時点(54週)でのプラセボ群、インフリキシマブ3mg/kg群における重篤な感染症の発症頻度は、各々3.6%、3.6%であり、そのうち肺炎の発症頻度は、各々1.5%、1.5%であった。

 David Yocum氏は、「インフリキシマブ3mg/kg投与を受けた患者(用量を漸増した症例も含む)において、重篤な感染症の合併や結核の新規発症などが、プラセボ群に比して増加する可能性は少ない」と述べた。「私たちは今回の学会期間を通じて、幾つかのSTART試験成績を発表してきた。インフリキシマブは有効性と安全性に優れ、また、約7割の患者では3mg/kg、8週間隔で効果を維持できた(関連トピックス)。この結果は、明日からの我々の日常診療においても、非常に大きなインパクトを持っている」とYocum氏は力強く語った。インフリキシマブについては、現在本邦で承認されている唯一の生物学的製剤であり、関節リウマチに対する用法・用量は3mg/kg 8週間隔投与(維持期)となっている。このような結果が得られたことは米国のリウマチ患者はもちろん、日本においても大きな福音をもたらすことだろう。(水田吉彦、医学ジャーナリスト)

*本演題は海外で行われた臨床試験であり、インフリキシマブの国内未承認用量が含まれます。

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