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2004.10.21

不活化ポリオ・ワクチンの使用で米国におけるVAPP発症が皆無に

 日本では、ポリオの予防接種に弱毒化経口生ワクチン(OPV)が用いられている。厚生労働省は現在、不活化ワクチン(IPV)への切り替えを準備している。一方、米国では2000年からIPVのみが用いられている。今回、米国の研究者らは、ポリオ・ワクチン接種方針の転換がワクチン関連麻痺性灰白髄炎(VAPP)の発症に及ぼした影響を明らかにするため調査を行い、詳細をJAMA誌10月13日号に報告した。

 米国で、野生のポリオ・ウイルスの感染による発症例が最後に報告されたのは1979年。カナダからの輸入例だった。また、分離ウイルスの遺伝学的研究は、米国内では1960年代末に野生ウイルスの伝播がなくなったことを示唆した。反面、OPVの投与が始まった1961年以降、1989年までは毎年約9人がVAPPを発症していた。これを憂えた米国は、1997年にワクチン接種方針を転換、IPVを2回、その後OPVを2回投与する方法が提示され、IPVのみ4回も選択可能になった。

 CDCが保管していた調査データと、National Immunization Survey(NIS)のデータを利用して、研究者らは、1990〜2003年のポリオ症例数、および、OPVの使用量とVAPP発生数の比を調べた。その結果、1990〜1999年にポリオを発症した患者は61人、うち59例がVAPPで、頻度はOPV290万回に1回の割合であることが明らかになった。残りの1例は輸入例で、もう1例は感染源が明らかでない。移行期間の1997〜1999年には13人のVAPP患者が発生したが、全員にOPVのみが投与されていた。2000年以降はVAPP発症者はいない。従って、ワクチン接種方針の変更は成果を上げ、VAPPの発生をなくすことができたといえる。

 論文の原題は「Vaccine Policy Changes and Epidemiology of Poliomyelitis in the United States」、概要はこちらで閲覧できる。
(大西淳子、医学ジャーナリスト)