2004.10.20

グルコサミンが変形性関節症の構造自体を変えるDMOAD薬の基準を満たす

 変形性関節症の治療薬について、単に炎症を抑えるだけではなく、関節の構造自体に作用して、病気の進行を遅らせることができる薬に対し、DMOAD (disease modifying drugs for osteoarthritis )と分類しようという動きが出てきているが、グルコサミンがその基準を満たすことが明らかになった。これは、ベルギーLiege大学のOlivier Bruyere氏が、10月19日のポスターセッションで発表したもの。同氏らは、既に発表されたグルコサミンの変形性関節症に対する効果を示す研究結果について、再調査し、今年4月にフランス規制当局が公表したDMOADの基準のうち、これまでの研究で示していなかった評価項目を算定した。

 フランス規制当局は、DMOADの基準として、関節スペースの狭窄、痛み、機能の3点を、評価の第一項目とした。それに加え、第二の評価項目として、DMOADとしての治療に反応した患者の“治療反応者”、または反応しなかった“治療失敗者”の割合を示し、実薬がプラセボに対して有意にその割合に差があることを示さなくてはならないとしている。

 同氏らは、変形性関節症の患者に対するグルコサミンの効果を調べた、二つの無作為化プラセボ対照二重盲検試験について再調査した。被験者数は、試験開始時点で計414人、終了時点では計259人だった。グルコサミン投与量は1日1500mgだった。

 グルコサミン投与の結果、関節スペースの狭窄が0.5mm未満で、関節炎の痛みと機能性についての指標であるWestern Ontario MacMaster University Osteoarthritis Index(WOMAC)の合計または痛みに関する項目のスコアで20%以上の改善が見られた場合には、“治療反応者”と定義した。

 その結果、WOMAC の総スコアを定義として用いた場合には、プラセボ群の“治療反応者”は41人(32%)だったのに対し、グルコサミン群では71人(53%)に上った(p=0.0007)。この結果を相対リスクに換算すると、グルコサミンを服用すると、プラセボの場合に比べ、 “治療失敗者”になるリスクが0.68(95%信頼区間:0.54〜0.84)倍になることがわかった。

 Bruyere氏らは、グルコサミンはDMOADの新しい基準を満たすことができたと結論付けた。(當麻あづさ、医療ジャーナリスト)

Information PR

ログインしていません

Close UpコンテンツPR

ログインしていません

もっと見る

人気記事ランキング

  1. 66歳男性。5日前から続く息切れ 日経メディクイズ●救急 FBシェア数:0
  2. マッチング中間、5年ぶりに東京大学が首位奪還 「医師臨床研修マッチング2018」中間結果ランキング FBシェア数:107
  3. 「なんなの、この人」。そう言われて我に返ったあの… シリーズ◎忘れられないカルテ FBシェア数:34
  4. その便秘薬の処方、間違っていませんか? リポート◎グーフィス、リンゼスなど新たな便秘薬が続々登場 FBシェア数:170
  5. <片麻痺>患者をCT室に送る前の必須検査は? 患者到着前から始まるエマージェンシー臨床推論 FBシェア数:33
  6. 中小病院が国から託された「新たな使命」とは? 日経ヘルスケアon the web FBシェア数:17
  7. 本当に誤嚥? 誤嚥の原因は? なぜ肺炎に? 吉松由貴の「誤嚥性肺炎、診療の知恵袋」 FBシェア数:73
  8. 臨床が好きになった日と開業が近づいた日 谷口恭の「梅田のGPがどうしても伝えたいこと」 FBシェア数:10
  9. 大腸癌検診は旧態依然でいいの? 田中由佳里の「ハラワタの診かた」 FBシェア数:36
  10. 「正しい情報」だけでは変わらない患者の行動を変え… 医療4.0〜第4次産業革命時代の医療〜 FBシェア数:3
医師と医学研究者におすすめの英文校正