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2004.10.20

タイで飼育トラ400頭以上がH5N1ウイルスに感染の疑い、エサの鶏が原因か

 タイ畜産局は10月19日、タイ中部のバンコク郊外、チョンブリー県で飼育されていたトラが高病原性トリインフルエンザウイルスに感染したことを国際獣疫事務局(OIE)に報告した。10月8日から異常が発生し始め、55頭が感染・発症し、うち23頭が死亡した。タイ国立動物保健学研究所と2つの大学の獣医学部による鶏卵培養検査の結果、19日にH5型ウイルスが分離された。検査は進行中でH5N1であるかどうかはまだ報告されていない。哺乳類のトリインフルエンザウイルス集団感染としては近年にない大規模なものだ。

 同地区で飼育されているトラのうち441頭が疑い例として報告されている。当局によると、大規模集団感染の原因は、エサとして与えている鶏からの感染の可能性が高いという。トラがヒトインフルエンザウイルスに感染するかどうかによって危険性は異なるが、哺乳類の大量感染がトリインフルエンザウイルス変異の危険性を高める可能性はある。家禽における全国的なH5N1ウイルス感染が流行しているなかで、動物のエサとして鶏を与えていたことは、不注意な対応と言わざるをえない。あらたな監視体制の確立が急務と言えそうだ。

 OIEのホームページはこちらで閲覧できる。(中沢真也)