2004.10.18

RA患者はうつ病の有病率が5割増し、50万人の退役軍人に対する症例対照研究で判明

 関節リウマチ(RA)ではうつ病の有病率が高いことが数多く報告されているが、米国在住の退役軍人約50万人を対象とした大規模調査では、関節リウマチ患者ではうつ病の有病率が実に26.2%と4人に1人を上回り、関節リウマチ患者以外の群に比べ、約1.48倍と有意に多いことが分かった。米ルイジアナ州立大学健康科学センターのRitu Khurana氏(写真)が10月16日のプリコンファレンスで開催されたポスターセッション「ACR Economic, Social and Psychological Impact of Arthritis」で報告した。

 Khurana氏らの研究グループでは、1997年から2004年にかけ、第16退役軍人統合サービスネットワーク(VISN 16)のデータベースに登録されている米南部8州の退役軍人医療センターの48万306人のデータを基に横断的な症例対照研究を実施した。

 全症例のうち、関節リウマチ患者は全体の約1.8%にあたる8706人おり、そのうち、26.2%に当たる2283人、ほぼ4人に1人がうつ病だった。これに対して関節リウマチ患者以外の登録者におけるうつ病患者の比率は47万1600人中8万5417人で、約18.1%だった。関節リウマチ患者ではうつ病の有病率がオッズ比1.48倍と有意(p<0.0001)に高く、うつ病になりやすい傾向が改めて確認された。年齢、性別、人種で調整してもこの傾向は変わりなかった。

 関節リウマチ患者の中では、女性の方がわずか(オッズ比=1.04)ながら有意にうつ病の有病率が高く、また人種別では白人に対し、黒人とアメリカンインディアン、アラスカ原住民が有意に高く、アジア系と太平洋諸島民族は有意に低かった。

 Khurana氏は、「関節リウマチによる日常生活の行動制約に注目して治療することがうつ病発症の予防につながるし、逆に関節リウマチ患者では、うつ病治療が身体機能の制約による悪影響を改善することになる」と、心身両面に注目した関節リウマチ患者への対応の必要性を強調していた。(中沢真也)

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