2004.09.14

MAOB阻害剤は早期パーキンソン病に有効、メタ分析の結果から

 英国の研究者らが、早期パーキンソン病患者に対するモノアミン酸化酵素B阻害剤(MAOBI)の効果を評価するメタ分析を行った。1995年、英国パーキンソン病研究グループ(UK-PDRG)は、MAOBI(セレギリン)とL-ドーパをパーキンソン病患者に併用すると、L-ドーパ単独より死亡率が高くなるという試験結果を報告しており、今回はその正当性の評価も目的の一つになっていた。得られた結果は、この薬剤が副作用無しに患者に利益をもたらすことを示した。詳細はBritish Medical Journal誌9月11日号に報告された。

 著者によると、早期パーキンソン病治療薬としてMAOBIを評価した系統的レビューはこれが初めてという。

 研究者らは、文献データベースに登録されている1966〜2003年の論文と主な専門誌、学会の抄録を調べ、MAOBIと偽薬またはL-ドーパの効果を比較した17件の臨床試験を選び出した。それらから、死亡率、運動合併症(ジスキネジアなど)、副作用、治療コンプライアンス、パーキンソン病統一スケールに基づく病態評価に関わるデータを抽出、分析した。

 その結果、MAOBI投与群と対照群の間で、死亡率に有意な差はなかった。しかし、3カ月の時点では、MAOBI群の患者に、合計スコア、運動機能スコア、日常生活動作スコアの有意な改善が見られた。さらにL-ドーパ追加の必要性は低く、運動症状の変動の進行も遅かった。なお、副作用の発生率に差はなかった。

 研究者らは、MAOBIと他の抗パーキンソン病薬を比較した臨床試験はわずかで、相対的な利益とリスクに関する不確実性は残っており、MAOBIの長期的な利益とリスクもいまだ明確でないことから、さらに大規模かつ長期的な比較対照試験の実施が急がれると述べている。

 論文のタイトルは「Monoamine oxidase type B inhibitors in early
Parkinson's disease: meta-analysis of 17 randomised trials involving 3525 patients」、全文は現在、こちら(PDFファイル)で閲覧できる。 
(大西淳子、医学ジャーナリスト)

Information PR

ログインしていません

Close UpコンテンツPR

ログインしていません

もっと見る

人気記事ランキング

  1. 製薬企業と医師との付き合い方はどう変わる? ニュースウォッチャー井上雅博の「世相を斬る」 FBシェア数:371
  2. 学会はスーツで行くべきなのか 倉原優の「こちら呼吸器病棟」 FBシェア数:756
  3. 若年男性に生じた腹痛、必ず聞くべきことは? カンファで学ぶ臨床推論 FBシェア数:1
  4. お尻に注入しないで!(食事中に閲覧しないで) 薬師寺泰匡の「だから救急はおもしろいんよ」 FBシェア数:374
  5. 病院の「介護医療院」転換に予想外の傾向! 日経ヘルスケアon the web FBシェア数:31
  6. 民間病院から大学教授を毎年輩出する秘訣 東謙二の「“虎”の病院経営日記」 FBシェア数:60
  7. 脳梗塞超急性期のEarly CT signとは 今さら聞けない画像診断のキホン FBシェア数:0
  8. ポケットを伴う褥瘡に有効な「創内固定」 古田勝経の「褥瘡はフルタ・メソッドで治る」 FBシェア数:72
  9. 60歳代女性。胸部異常陰影 日経メディクイズ●胸部X線 FBシェア数:0
  10. 記憶障害のみでゆっくり進行する認知症とは 発見者の金沢大学脳老化・神経病態学(神経内科学)教授山田正仁氏に聞く FBシェア数:141
医師と医学研究者におすすめの英文校正