2004.09.14

中止相次ぐ政府系医療ITプロジェクト、経産省の補正事業では26事業のうち6事業が中止に

 政府の補助金や委託金を受けて始まった医療ITプロジェクトが、相次いで中止に追い込まれている。今年3月末には、三重県の久居一志地区医師会が中心となり進めてきた「三重県地域保健医療福祉情報ネットワークシステム」が事業に終わりを告げた。地域の中核病院と診療所をCATV網で結び、地域内の患者カルテを一元管理するという電子カルテプロジェクトで、開発には2億5200万円もの予算を投入したが、参加医療機関の数がわずか3病院、2診療所と伸び悩んだためだ。

 三重県のプロジェクト以外にも、経済産業省の2000年度の補正予算を受けて、2001年以降に各地域で同様のネットワークシステムが稼働した。当時の補正予算総額は58億7500万円。1プロジェクト当たり平均で約2億2000万円の国費が投入されたが、全26プロジェクトのうち、三重県を含めて6地域のプロジェクトが既に事業を中止・終了している。稼働中のプロジェクトにおいても、実際にはほとんど使われていないか、または機能を縮小しているところが少なくない。

 巨額の資金をつぎ込みながらも、医療機関のIT化は遅々として進まないのが現状だ。厚生労働省は「2006年度末までに400床以上の病院と診療所の6割に電子カルテを普及させる」というグランドデザインを示し、補助金などで普及を後押ししてきた。だが、普及率は1〜2%台(2002年10月時点)にとどまっている(詳細は「日経ヘルスケア21」9月号28〜31ページの記事参照)。
(川崎慎介、日経ヘルスケア21

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