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2004.09.09

グループホームの実質的な新設規制が広がる

 急増するグループホームの新設を規制する動きが市町村レベルで広がっている。群馬県は2002年6月、グループホームの設置を制限するために、県内の10圏域ごとにグループホーム設置候補者選定委員会を設置。圏域ごとにグループホームの必要数を勘案して開設希望を公募し、各圏域の委員会が応募案件を審査して開設者を決定している。委員会では、主に開設希望事業者の資金面や事業計画などについて審査するという。

 一方、「埼玉県では現在、グループホームの新設がほとんど不可能な状態だ」(あるグループホーム事業者)という。事業者の指定権限を持つ埼玉県の健康福祉部介護保険課は、「事業者としての指定申請があれば基本的に認可している」と話す。しかし、各市町村が、指定を受ける際に必要となる意見書の提出を保留しているケースが多く、実質的にほとんど指定申請できない状況となっているようだ。このほかにも、他県の多くの自治体が設置を制限している。

 新設が規制される背景には、予想を超えるグループホームの急増がある。需要の高いグループホームに目を付けた住宅メーカーや建設会社などの参入が相次いだ結果、全国の施設数は2004年4月には約400カ所だったのが、2004年8月にはその15倍ほどの約5600カ所へ急激に増加。これに伴い、事業者に支払われる介護給付費が急増し、保険者である各市町村の財政が悪化した。加えて、介護事業の経験のない事業者が増加したため、サービスの質の低下も招いた。

 こうした状況をふまえて厚生労働省は、2006年4月に実施予定の介護保険制度改正で、グループホームの指定・監督権限を都道府県から市町村に移譲する方針を打ち出した。保険者と指定・監督権限者を同一にすることで、サービスの量と質のバランスを図りながらグループホームを整備していこうという考えだ。今後新たにグループホームを開設する事業者は、各市町村の動向をきめ細かく調査することが必要となってくるだろう。(豊川琢、日経ヘルスケア21