2004.09.06

ストレスの急性心筋梗塞発症への関与度、喫煙よりも少ないが高血圧や腹部肥満と同レベルかそれ以上−−INTERHEART試験から

 心理的、社会的要因、すなわち種々のストレスが冠動脈疾患の発症に関係するとの報告はこれまでにもあった。しかし研究は主に北米と欧州で行われてきた。52カ国で実施されたINTERHEART試験に参加した研究者たちは、被験者のうち、データが完全だった1万1119人の患者と対照群1万3648人を対象とするケース・コントロール研究を試み、詳細を9月3日にLancet誌電子版に報告した。その結果、ストレスはやはり心筋梗塞の危険因子として重要であることが明らかになった。

 心理的、社会的要因の程度は、職場でのストレス、家庭でのストレス、金銭的ストレス、そして過去1年間の生活上の出来事に関する簡単な質問により判断した。対照群に比べ、患者群では、4つのストレス全てを抱えている人の比率が高かった。

 年齢、性別、生活地域、喫煙などの要因を調整後のオッズ比は、職場でのストレスが時々感じられるケースで1.38、持続的ストレスがある場合は2.14、家庭でのストレスを時々感じる場合は1.52、継続的だと2.12となった。

 深刻な金銭的ストレスがあるケースのオッズ比は1.33、生活上でストレスとなる出来事が何度もあった場合は1.48、うつ傾向があるケースは1.55となった。これらの差は、地域、人種、男女に関わらず見られた。

 得られた結果は、ストレスの急性心筋梗塞発症への関与の度合いは、喫煙よりも少ないが、高血圧や腹部肥満と同レベルかそれ以上であることを示した。つまり、心理的、社会的要因を改善する方法を開発する必要性が明らかになった。

 論文のタイトルは「Association of psychosocial risk factors with risk of acute myocardial infarction in 11119 cases and 13648 controls from 52 countries(the INTERHEART study): case-control study」、現在全文が
こちらで閲覧できる。 
(大西淳子、医学ジャーナリスト)

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