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2004.08.30

Ca拮抗薬によるプラーク退縮は確認されず−−ENCORE IIから

 8月29日、欧州心臓病学会のHOTLINE Iセッションにて、1日1回型Ca拮抗薬ニフェジピンGITSが冠動脈疾患例のプラークならびに血管内皮機能に与える影響を検討したENCORE IIが報告された。ニフェジピンによる内皮機能の改善は認められたが、プラーク進展に対する抑制作用はプラセボと同等だった。研究グループを代表して、University of Zurich(スイス)のThomas F. Luscher氏が報告した。

 ENCORE IIの対象は、冠動脈造影により左冠動脈に40%未満の狭窄を認める226例。114例がニフェジピン群、112例がプラセボ群に無作為割り付けされ、18〜24か月服用後、試験前後の1.冠動脈内アセチルコリン投与による血管収縮と、2.血管内エコー法(IVUS)による血管内プラーク領域−−が比較された。試験薬服用は、これらの検討の2日前に停止した。

 その結果、アセチルコリンに対する血管収縮反応は、プラセボ群に比べニフェジピン群で有意に抑制された。プラセボ群の血管収縮は試験開始善に比べ6.9%しか低下していなかったが,ニフェジピン群では18.3%低下した(p=0.0007)。

 一方、IVUSで評価したプラーク領域は、プラセボ群とニフェジピン群間に有意差はなく、両群とも退縮は認められなかった。Luscher氏はニフェジピンによるプラーク退縮が認められなかった点に関し、「ACTION(関連トピックス)においてニフェジピン群の心筋梗塞が減少しなかったという知見に一致する」と述べている。

 また本報告の検討者(Discussant)として登場したCardiovascular Research Foundation(米国)のStephane G. Carlier氏は、ニフェジピン群の血圧がプラセボ群よりも5.8/2.1mmHg低かった(p<0.001)点を指摘し、「ニフェジピン群における内皮機能の改善は、降圧によりもたらされた部分もある」と指摘した。なお本試験では、ニフェジピン群においてHDL-Cが3.8mg/dL、LDL-Cは4.8mg/mL、いずれも有意に改善されていた。

 冠動脈疾患例における長時間作用型Ca拮抗薬の抗動脈作用をIVUSで検討する大規模試験としては、アムロジピンを用いてACE阻害薬エナラプリルとの比較を行っているNORMALISEがあり、こちらも早ければ本年中に報告との情報がある。長時間作用型Ca拮抗薬間ごとの抗動脈硬化作用の有無が明らかになるため、報告が待たれる。(宇津貴史、医学レポーター)

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