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2004.08.15

【続報】 ベトナムのトリインフルエンザ感染死亡者、検査でH5N1ウイルス陽性を確認

 世界保健機関(WHO)は8月13日、ベトナムでトリインフルエンザ感染のために死亡した3人のうちひとりの検体がH5N1ウイルス陽性と確認されたと発表した。死亡した患者はベトナム北部ハタイ省の4歳の男児と11カ月の女児、それにベトナム南部ハウザン省の25歳の女性の計3人。男児は8月2日、女児は8月4日、女性は8月6日に死亡している。

 この3人のほかにもベトナム北部と南部の双方で死亡者を含む患者が出ている模様だが、全員の検体はまだ得られていない。疫学的調査の一環として、患者家族から検体を採取したほか、付近の家禽やその他の家畜からも検体を採取しており、感染源と経路の特定を急いでいる。

 今回、WHOが把握している3人の死亡者は南北に細長いベトナムの南北両端で発生している。しかし、6月末から発生している養鶏のH5N1感染は、国際獣疫事務局に報告されている限りでは同国南部のみで北部では発生していない。患者が発生したハタイ省は首都ハノイ市の近郊であることから、成鳥などの輸送に関連した曝露が考えられるほか、南北間を飛ぶ渡り鳥による伝搬も考えられる。

 いずれにせよ、鳥から人間へのH5N1直接感染の機会が増えれば、ヒト−ヒト感染の能力を持った新型インフルエンザ登場の危険性はそれだけ大きくなる。ワクチン開発を中心とした新型インフルエンザ流行対策がいよいよ現実味を帯びてきたと考えてよいだろう。

 WHOのプレスリリースはこちらまで。(中沢真也)