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2004.07.15

大学医局の医師引き揚げに苦慮する民間病院、大阪府私立病院協会が実態調査

 大阪府私立病院協会(佐藤眞杉会長)は7月10日、大学医局による関連病院からの医師引き揚げなど、今年4月にスタートした新医師臨床研修制度の影響度に関する調査結果を公表した。「新医師臨床研修制度の影響を受けた」と回答した病院の半数近くが医師引き揚げに遭うなど、民間病院が深刻な影響を被っている実態が明らかになった。

 新医師臨床研修制度は、研修医が複数の診療科を学ぶ「ローテート方式」となった。ローテート方式では、大学にもよるが、一つの科目を研修する期間は長くても半年程度に限られる。これまで、2年間単一の診療科のみを研修する「ストレート方式」を採用していた医局からみれば、研修医の労働力が大きく減る形になる。その穴埋めなどを理由として、関連病院から医局員を引き揚げたり、医師派遣の要請を断る大学医局が現れ、新聞紙上でも大きく報じられてきた。

 大阪府私立病院協会の調査は、今年6月、会員320病院を対象に実施。100病院から回答を得た。それによると、常勤医の雇用について、33%の病院が「新医師臨床研修制度の影響を受けた」と回答。その内容を見ると、複数回答で52%の病院が「退職医師の補充困難」を挙げ、48%が「医師引き揚げ」を挙げている。実際に引き揚げられたり、補充が困難であった医師の年次については、「卒後7年以上」と回答した病院が48%と最も多く、中堅医師の補充に民間病院が苦慮している実態が浮き彫りになっている。
(吉良伸一郎、日経ヘルスケア21