2004.06.28

英国Oxfordshire地域で20年前と比べ脳卒中発症率は3割減、予防治療の成果明らかに

 英国Oxford地域で20年前と比べ、脳卒中の発症率が3割減少していることが明らかになった。中程度や重症例は4割も減少している。血圧値やコレステロール値も全体に低下しており、そうした血管疾患リスク因子に対する予防治療の成果が出ていることが裏付けられた。英国Oxford大学のP.M.Rothwell氏が、6月24日の一般口演と、改めて26日のハイライト・セッションで発表した。

 これは、英国Oxfordshire地域で1981〜1986年に行われた脳卒中患者に関するコホート研究Oxford Community Stroke Project(OCSP)と、2002年から同地域で行われているOxford Vascular Study(OXVASC)のデータを比較したもの。脳卒中の診断基準など、二つの研究で異なる点は補正を行った。

 1981〜1984年と2002〜2004年の、年間脳卒中発症率について見てみると、人口1000人当たり2.27(95%信頼区間:2.06〜2.49)人から1.62(同:1.43〜1.82)人へと、0.71(同:0.61〜0.83)倍に減少した(p=0.0002)。男女別で見てみると、男性は0.66(同:0.53〜0.82)倍、女性は0.76(同:0.61〜0.94)倍に減っている。なお、発症率算出の際の人口数については、補正を行っている。

 脳卒中の種類別に見てみると、虚血性脳卒中の1981〜1984年の発症率は人口1000人あたり1.93(同:1.73〜2.13)人だったのに対し、2002〜2004年では1.42(同:1.24〜1.61)人と、0.73(同:0.62〜0.86)倍に減少した(p=0.0009)。後部脳内出血は0.47(同:0.27〜0.83)倍と、半分以下に減っていた。

 さらに、脳卒中発症後1カ月の症状の程度によって比較したところ、Rankinスケールが2〜3の脳卒中は0.61(同:0.46〜0.81)倍に減り、4〜6の重症例は0.60(同:0.50〜0.72)倍に減った。なお、同スケールが2未満の軽症な脳卒中については、20年間で差が見られなかったが、この点についてRothwell氏は、OXVASCではOCSPよりも脳卒中軽症例をより多く見つけ出すことができるようになったことが原因ではないかとしている。

 また、脳卒中や一過性脳虚血性発作(TIA)を発症した患者の、発症前の血圧値やコレステロール値といったリスク因子も、低下している。例えばTIAについて見てみると、発症前の収縮期血圧の平均値はOCSPで159.1mmHgだったのに対し、OXVASCでは146.5 mmHg、拡張期血圧は87.4 mmHgに対し80.4mmHg、総コレステロール値の平均は、6.91mmol/lに対し5.61mmol/lと、どれも有意に減少している。なお、同グループにおける喫煙率も、31%から15%へと減ってきている。

 Rothwell氏は、「我々の脳卒中予防治療が、極めて有効であったことが明らかになった」としながら、今後、脳卒中発症率をさらに減少させることは可能であるとコメントした。(當麻あづさ、医療ジャーナリスト)

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