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2004.06.27

虚血性脳卒中発症リスク、身体活動度高い人は数十分の1に−−デンマークの研究

 活発に身体を動かす人は虚血性脳卒中になるリスクが劇的に低くなるという研究結果がデンマークから報告された。これまで考えられていたより関連性は強く、最も活動的な人はほとんど運動しない人に比べ、発症リスクは数十分の1以下になっている可能性があるという。デンマークのBispebjerg大学病院神経科のThomas Truelsen氏らが6月24日のポスターセッション「Risk Factors」で発表した。

 研究は虚血性脳卒中の発症者に対する運動(歩行)の影響を見る無作為化臨床試験「ExStroke」(2003年11月に開始)の予備研究の一部として実施された。虚血性脳卒中患者133人(男性68人、女性65人)と性・年齢を一致させた対照群308人(男性165人、女性143人)について、身体活動度の国際的指標であるPASEスコアを比較する症例対照研究を実施した。

 PASE(Physical Activity Scale for the Elderly)は、米New England研究所のRichard Washburn氏らが開発し、1993年に発表した指標で直前7日間の身体活動を面接か電話による聞き取り調査で調べ、点数化する。一般成人の場合、身体的活動度は0〜361点の範囲になり、点数が高いほど活発なことを示す。

 本研究では、症例群のPASEスコアは平均75.7、対照群は118.8で有意差が見られた(p<0.001)。虚血性脳卒中の発症リスクとPASEスコアは極めて強い関連性を示した。最も活動度が低い0〜49点の群に対し、最も活動度が高い150点以上の群の発症リスクは実に50分の1以下で、PASEスコアが25点増えるごとに発症リスクは32%に減少することが明らかになった(95%CI:0.20-0.41)。

 身体的活動自体が虚血性脳卒中の発症リスク減少をもたらすのではないとしても、活動的な生活習慣が低い脳卒中リスクを保つ可能性を強く肯定する研究報告であり、脳卒中発症リスクの高いアジア各国にとって、運動症例の有力な根拠の一つになりそうだ。(中沢真也)