2004.06.25

大学病院の一般名処方開始、後発品普及の意外な援軍に

 最近、医薬関係者の間で話題を集めているのが、聖マリアンナ医科大学病院(川崎市)が、5月の連休明けから一般名処方を始めたことだ。ほぼ全面的に医薬分業をしている同病院は、このほど、116品目の内服薬について商品名処方から一般名処方に切り替えた。大学病院としては初めての取り組みだ。

 医療機関が一般名で処方すれば、処方せんを受け取った調剤薬局は、同じ成分ならどの会社の商品を患者に渡しても構わない。患者への情報提供とその選択に基づいて、効き目が同じで薬価の安い後発品を調剤することもできるわけだ。

 厚生労働省の使用促進策にもかかわらず後発品がなかなか普及しない理由の一つとして、医師が大学病院や勤務先の病院で使ってきた先発品の名前しか知らず、一般名を処方せんに書けないことが指摘されてきた。だが、大学病院で一般名処方になじんだ若手医師は、その後の勤務先や自分で開業した場合に、やはり一般名で処方する可能性が高い。だから聖マリアンナ医科大学病院の取り組みは、結果的に後発品普及に一役買うとして注目されているわけだ。

 後発品の普及策としては、「代替調剤」の解禁がしばしば話題にのぼってきた。医師が商品名で処方した場合に、薬剤師が同じ成分の別の商品を患者に手渡すことを認める代替調剤は、医師の処方権との兼ね合いからなかなか認められそうにない。

 その点一般名処方の拡大は、現行制度の枠内でも取り組める。代替調剤の解禁に比べ、後発品の使用拡大につながるまでに時間はかかるだろうが、大学病院での一般名処方が広がれば、いつになるかわからない代替調剤の解禁を待つより、結局は早いかもしれない。

 今年4月の診療報酬改定では、後発品の使用促進策はほとんど盛り込まれなかっただけに、聖マリアンナ医科大学病院の一般名処方開始は、後発品メーカーにとって思わぬプレゼントになったと言えるだろう。
(井上俊明、日経ヘルスケア21

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