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2004.06.25

経頭蓋的ドプラ法とTPAの併用で脳卒中の回復率が1.6倍に

 脳卒中の治療に、TPA(組織プラスミノーゲン活性化因子アクチベータ)投与に併せて経頭蓋的ドプラ法(TCD)を2時間行うことで、TPA投与のみの場合に比べ、脳卒中の回復率が1.6倍に増えることが明らかになった。これは、6月23日の一般口演で、米Texas大学のAndrei V. Alexandrov氏が発表した治験第2相の結果で、TCDがTPAの効果を促進することを示す初めての研究結果という。

 この研究は、米Houston、スペインBarcelona、カナダEdmontonとCalgaryの脳卒中研究グループが共同で行っている治験で、CLOTBUSTと呼ばれている。同グループは、脳卒中発症後、TCDによる診断で中大脳動脈に閉塞が見つかり、TPAを投与した患者126人を、無作為に2群に分けた。一方には2時間に渡りTCDによるモニタを行い、もう一方には何もしなかった。

 治療後に中大脳動脈が完全再疎通、または米国立衛生研究所(NIH)の脳卒中スケールであるNIHSSが3以下、またはNIHSSが治療前と比べて10以上改善した人の割合について調べたところ、TCDを行わなかった群では30%だったのに対し、TCDを行った群では49%と、1.6(95%信頼区間:1.03〜2.6)倍にも上った。この結果を、NNT(治療必要数)に換算すると5人だった。
(當麻あづさ、医療ジャーナリスト)