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2004.06.23

妊娠中のフライトは危険? 文科省が飛行機搭乗時の放射線被曝について検討開始

 文部科学省原子力安全課は、高空を飛ぶ飛行機のパイロットやフライトアテンダントの放射線被爆について、ワーキンググループを設けて検討を開始する。6月23日には、「航空機乗務員等の宇宙線被曝に関する検討ワーキンググループ」の第1回会合を開催する。航空機乗員の被曝の危険性は最近、しばしば指摘されており、勤務体制の見直しも含めた検討が行われることになるとみられる。

 民間航空機が飛ぶ1万〜1万3000mの高空では大気の保護が少なく、地球に降り注ぐ宇宙線の被曝量が多くなる。年間800〜900時間程度勤務する平均的な航空会社の勤務体制では、年間2〜3mSv(ミリシーベルト)程度になるとされる。特に懸念されるのが妊娠中の女性が勤務する場合だ。

 国際放射線防護委員会(ICRP)の1990年の勧告に基づく放射線障害防止法の規定では、妊娠中の女子では腹部表面で妊娠期間中の被曝量を2mSv以下にしなければならないとしている。妊娠中の航空機乗員の被曝量はこの規定を超える可能性があることになる。

 米国産婦人科医会(ACOG)も今年5月31日付けで、妊娠中の航空機乗員や頻繁に航空機を利用する妊娠中の旅行者は、ICRP勧告を超える被曝の危険性があると指摘している。ACOGでは、太陽粒子現象が発生した時には著しく増加するため、搭乗直前に米国海洋大気庁(NOAA)の予報を確認し、旅行や搭乗を延期して放射線量増大時期を避けるべきだとしている。太陽粒子現象とは太陽面フレアなど太陽活動の短期的な活発化を指す。

 文科省の検討会開催についてのプレスリリースはこちらまで。(中沢真也)