2004.06.14
テクノエイド協会 福祉用具研究開発助成事業で新たに14課題を採択
テクノエイド協会はこのほど、今年度の福祉用具研究開発助成事業で新たに14課題を採択した。独立行政法人福祉医療機構の交付金による事業で、福祉用具の実用化のための研究開発を支援している。今回採択された詳細は以下の通り。
・新規の振動・衝撃吸収材を活用した福祉機器の開発と改良
従来のウレタン発砲体より2倍の制振性能を持ち、シリコンゲルより軽く、感触性や保温性に優れた制振性発砲体を開発。開発中の車いすハンドリム用滑り止めテープをはじめとする車いす関連機器の開発や既存の福祉機器の改良開発などへの展開を図る。
(大井製作所、京都府)
・新しい素材と加工技術の採用と高いデザイン性により、ADLや身体状況に合わせて選択できる食事自助具(スプーン)の開発
チタン、エラストマーなどの新しい素材の採用とそれらの加工技術、新しい視点にあたったデザインを研究。使用者自らが日々の体調や身体状況に合わせて適切な口先部を選択できる「選択性」、「衛生性」を重視した食事自助具(スプーン)を開発する。
(シチズン・アクティブ、東京都)
・視覚障害者向け触覚ジョグダイヤルの製品化開発
触覚ディスプレイ付きジョグダイヤル実用化のため、その量産化を目指した開発・設計・試作を行う。インターネットなどからの情報取得のための視覚障害者用インタフェースとして広く定着することを目指す。
(ティジー、東京都)
・失語症言語訓練用動画教材ソフトウェアの開発
重度から軽度の失語症に幅広く適応となる訓練教材ソフトを、動画に着目して開発する。
(日立アドバンストデジタル、神奈川県)
・(障害児施設向け)障害の程度に関わらず、主体的な参加が可能な「キッズ・インタラクティブ・アーツ」システムの開発
音と光と絵画の総合芸術「フィーリングアーツ」システムをベースに障害児自身が光りを自由に操り、自ら「絵を描いている」という達成感を味わえる「キッズインタラクティブ・アーツ(KidsInteractive)」システムを開発する。
(アート・オブ・ライフ、兵庫県)
・次世代音声・点字インターネットブラウザの開発
最先端のウエブ技術を投入、オープンソースモデルにより強力で使いやすい音声・点字ブラウザを開発する。
(石川准・静岡県立大学国際関係学部、静岡県)
・車椅子で使用する女性用装着型自動吸引式集尿器の研究開発と実用化
尿失禁または排尿処理動作が自立できない車いす使用の女性が外出時や屋外で使用する装着型自動吸引式集尿器を研究開発する。
(井上滉・東京都立産業技術研究所、東京都)
・重度障害のある人のAssistive Technologyサービスに関する教育プログラムの調査・研究
全国調査を通じて、各地域におけるAssistiveTechnology(AT)サービスの実施状況に関する情報の収集、要因分析などを行い、教育システムにおいて具体的な問題解決を含めた方法論についてまとめる。特に、重度障害者のある人へのATサービスとして、より上級の技術レベルを目標とする教育システムの構築の図る。
(社会福祉法人大阪市障害者福祉・スポーツ協会 大阪市職業リハビリテーションセンター、大阪府)
・実用化筋電電動義手の開発
上肢切断者のQOL(Qualityoflife)の向上、及び、自立、就労支援のために、手軽さと多機能性を特徴とする筋電義手の研究開発を行う。
(小原工業、東京都)
・動歩行安定性を重視した高齢切断者用義足足部の開発
不安定である義足歩行を安定させる一手段として転倒を防ぐ義足足部を開発する。
(高嶋孝倫・国立身体障害者リハビリテーションセンター、埼玉県)
・視覚障害者の触地図制作に関るガイドラインの基本研究
視覚障害者が利用する触地図の現状について、情報収集および整理を行い、だれもが視覚障害者に利用・活用しやすいガイドラインを作成する。
(ピアサポート、神奈川県)
・「姿勢保持装置のモジュラーフレームシステム」の開発
モジュラー化された各種形状、寸法のフレームとジョイントを使い、組み立てが簡単で、完成後でも容易に取外し取替えができる「フレームシステム」を開発する。
(ピッコロ有限会社、福岡県)
・重度障害者のための入力スイッチ部の形態に関する調査研究−スプリント構造の応用と適応−
作業療法士の視点からスイッチ入力部の作製にあたってスプリント原理を使用したスプリットスイッチについて、初年度はアンケートによる全国調査とその結果に基づいた事例収集を行う。また、次年度はそれらを障害別に分析し障害別のスプリントスイッチについて、その原理、構造、作製方法、効果等について提案する。
(藤田久夫・兵庫県立総合リハビリテーションセンター、兵庫県)
・発達障害児用携帯型会話補助装置の寝たきり高齢者や重度障害者向け入力機能改良と成人向け機能強化に関する研究開発
明電ソフトウエアの既存製品「発達障害児童向け携帯型用会話補助装置トークアシスト」に関する改良開発研究。
(明電ソフトウエア、静岡県)