2004.06.14

【ASCO2004ダイレクト】 化学療法の投与間隔の短縮がリンパ節転移陽性乳癌患者の無再発生存率を向上

 リンパ節転移陽性乳癌患者に対する化学療法の投与間隔を、3週間隔から2週間隔に短縮することにより無再発生存率を向上できることが、ドイツで行われた第3相試験で示された。ドイツのStaedtisches KlinikumFrankfurtのV.Mobus氏が、一般口演「Breast Cancer II」で発表した。

 この試験では、4つ以上の腋窩リンパ節転移がある65歳以下の術後乳癌患者1284例が登録された。好中球減少を防ぐためのGーCSFを投与しながら、パクリタキセル(225mg/m2)とエピルビシン(150mg/m2)、シクロホスファミド(2500mg/m2)の同時併用3コースを2週間隔で行う“Dose-dense療法”群と、エピルビシン(90mg/m2)とシクロホスファミド(600mg/m2)の併用4コース後にパクリタキセル(175mg/m2)4コースを3週間隔で行う従来療法群に分けた。さらに、“Dose-dense療法”群は、貧血治療薬epoetinαを投与する群と非投与群にランダムに分け追跡した。

 その結果、追跡期間中央値28カ月時点で再発した患者はDose-dense療法群(590人)中94人と、従来療法群(554人)中の127人に比べ有意に少なかった(p=0.0009)。3年無再発生存率はDose-dense療法群で80%と、従来療法群の70%に比べ高かった。また、Dose-dense療法群でのepoetinα投与群は、非投与群に比べ、貧血や輸血の頻度が有意に少なく、忍容性の点で優れていた。

 副作用の発現に関しては、血液学的な副作用の頻度がDosedense療法群で有意に高かった(発熱性好中球減少;7%対2%など)。ただ、副作用などのために薬剤を減量した患者数は両群で差がなかった。また、epoetinα投与は再発生存率や生存率に貢献しなかった。QOLのエンドポイントについてはまだ評価中だという。

 Dose-dense療法に関しては、同じくリンパ節転移陽性乳癌患者に対する効果を見たCALGB9741というランダム化比較試験の中間成績でも4年無再発生存率が従来療法に比べ有意に向上することが既に明らかになっており、今回の試験でその有用性が追認された格好だ。Mobus氏は、「CALGB 9741の長期成績でさらに有効性が確かめられば、Dose-dense療法は今後、リンパ節転移陽性乳癌患者における補助化学療法の標準的方法になるだろう」と述べた。
(大滝隆行、日経メディカル

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