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2004.06.10

頭・首の切除不可能な限局性進行扁平細胞癌へのネオアジュバント化学療法、従来のシスプラチンと5-FUにドセタキセル併用で死亡リスクが27%減

 頭と首の切除不可能な限局性進行扁平細胞癌に対する、ネオアジュバント化学療法で、従来のシスプラチンと5-フルオラシル(5-FU)に、ドセタキセルを加えた治験第3相で、従来のレジメンに比べて死亡リスクが27%減ることがわかった。2年生存率は、従来レジメンの33%から43%へと、10ポイント増加した。ベルギーEORTCのJ.B.Vermorken氏が、6月8日の一般口演で報告した。

 Vermorken氏らは、被験者358人を2群に分け、放射線治療の前に、一方には従来のレジメンであるシスプラチンと5-FUを(PF)、もう一方には、ドセタキセル(一般名、日本での商品名はタキソテール)を加えた(TPF)レジメンでネオアジュバント化学療法を行った。PFレジメンは、シスプラチン100mg/m2を第1日投与、5-FU1000mg/m2を第1〜5日継続投与、を21日間毎に4回繰り返した。TPFレジメンでは、ドセタキセル75mg/m2とシスプラチン75mg/m2をともに第1日投与、5-FU750mg/m2を第1〜5日継続投与、を21日間毎に、同じく4回繰返した。

 追跡期間の中央値は32カ月だった。その時点で、死亡リスクを比較したところ、TPF群はPF群に比べ27%低かった(ハザード比0.73;95%信頼区間:0.57〜0.94;p=0.016)。また、再発の認められない生存率についても、TPF群がPF群より3割近く上回った(ハザード比0.72;95%信頼区間:0.56〜0.91;p=0.006)。生存期間の中央値は、TPF群が18.6カ月、PF群は14.5カ月だった。

 さらに、治療への反応率も、TPF群が67.8%、PF群が53.6%と、有意な差があった(p=0.007)。その上、治療の副作用もTPF群の方が少なく、重度の吐き気(TPF群0.6%、PF群7.3%)、嘔吐(同0.6%、5.0%)、口内炎(同4.6%、11.2%)、毒性による死(同2.3%、5.5%)だった。
(Andrew Ten Have、医療ジャーナリスト)