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2004.06.08

骨転移に伴う骨合併症で医療費1.5〜2倍に増加

 癌の骨転移が患者の予後、QOLを損ねるのは当然だが、医療経済的にも大きな損失であることが明らかになった。米国の民間調査会社Policy Analysis Inc.のThomas Delea氏とJames McKiernan氏の報告による。Delea氏は肺癌骨転移についてのデータを示した。

 同氏は米国の民間医療保険であるマネージドケアのデータベースを用いて、「骨転移あり」と診断された「肺癌初発」例を集め、「骨合併症」のある群と、骨合併症以外をマッチさせた対照群を比較した。肺癌骨転移は534例に認められ、骨合併症群、対照群とも162例となった。

 生存期間中央値から見積もったこれら2群の2年生存率に有意差は無かったが、試算された医療費は骨転移群で対照群のおよそ2倍に膨れ上がっていた。さらに医療費の内訳を算出すると、骨合併症群では「骨合併症治療に関連しないコスト」も対照群のおよそ1.6倍、有意(p<0.01)に増加することが明らかになった。

 McKiernan氏も前立腺癌骨転移において同様の結果を報告しており、前立腺癌骨転移例に骨合併症があると、合併症のない骨転移例に比べ、必要となる医療費はおよそ1.5倍になるという計算となった。

 両氏とも骨合併症による医療費上昇は看過できないとしており、「ビスフォスフォネート製剤による骨合併症予防が、医療費削減に有効であろう」と述べ、ビスフォスフォネート製剤による経済効果の実証的研究が必要だと結論付けた。

*)この場合の骨合併症とは「病的骨折」「放射線照射」「外科手術」「脊髄圧迫」等をさす。