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2004.06.06

非小細胞肺癌の骨転移は見逃されている可能性

 非小細胞肺癌(NSCLC)における早期の骨転移が見逃されている可能性がある。Royal Melbourne Hospital(オーストラリア)のLouis Irving氏は、6月5日のポスターセッションで文献的考察からこのように警告した。

 Irving氏は、肺癌骨転移の多くが臨床評価では見逃されているとしている。肺癌症例(各stageにまたがったNSCLC、SCLCの663例を対象)における骨転移発見率を骨シンチグラフィーで検討した試験をメタ解析した結果では、骨シンチグラフィーで発見された骨転移に対する臨床評価の感度は0.87、特異度は0.67であり、また、骨シンチグラフィーにより20%に骨転移が認められるとされている。

 しかし、NSCLC患者においてFDG-PETを用いて評価すると、Buryらの報告では、骨シンチグラフィーによる骨転移検出精度が0.66に対しFDG-PETは0.96、Hsiaの報告では同様に0.61に対し0.93と、骨転移の検出にはFDG-PETがより正確性に優れると報告した。

 そこでNSCLC(Stage 1〜3)167例に対しFDG-PETを行ったMacManusらの成績を見ると、Stage3NSCLCでは6%に骨転移が認められていた。ただしこの検討では胸部上腹部以外は造影しておらず、肺癌骨転移の好発部位である脊髄、骨盤、頭蓋への転移を見逃している可能性もある。

 これらの結果からIrving氏は「肺癌骨転移は末期肺癌で発見されること多いが、肺癌と診断された時点で始まっている可能性もある」と推測した上で、「骨転移の予防が予後改善に有用であるならば、無症候性骨転移の検出は重要である」と結論付けた。