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2004.06.06

ボルテゾミブが多発性骨髄腫の進行を遅らせ生存率を改善 治療後1年死亡リスクを3割減

 ボルテゾミブ(一般名)の多発性骨髄腫に対する治験第3相で、高用量デキサメタゾンと比較した結果、病気の進行を遅らせ、治療後1年間の死亡リスクを、約3割減らすことができるという研究結果が出た。これは、6月5日の記者発表会で米Dana-Farber Cancer InstituteのPaul G. Richardson氏が、6日の一般口演に先駆けて報告した。

 同研究グループは、多発性骨髄腫で、再発や治療抵抗性などにより既に1〜3回の化学療法を受けたことのある人、合わせて669人を対象に試験を行った。被験者を無作為に2群に分け、一方にはボルテゾミブを、もう一方には高用量デキサメタゾンを、それぞれ6カ月投与した。

 その結果、再び病気の進行が認められるまでの期間は、デキサメタゾン群では中央値が3.6カ月だったのに対し、ボルテゾミブ群ではその中央値が5.7カ月と、58%長期化した。また、試験結果を評価した時点における死亡数は、デキサメタゾン群が24人、ボルテゾミブ群は13人と少なかった。治療後1年間の死亡リスクを割り出したところ、ボルテゾミブ群はデキサメタゾン群に比べて30%低かった。

 さらに、重度感染の比率についても、デキサメタゾン群が10.6%だったのに対し、ボルテゾミブ群は6.7%と低い値を示した。
 
 こうした良好な研究結果が出たことで、この試験は予定より約1年早く打ちきられ、デキサメタゾン群の患者に対してもボルテゾミブの投与を行った。

 Richardson氏は、さらなる研究が必要だとしながらも、今回の試験結果が、再発後の多発性骨髄腫に対するボルテゾミブの早期使用につながる可能性は大きい、としている。
(當麻あづさ、医療ジャーナリスト)