2004.05.11

冠動脈疾患患者への脂質低下剤投与が2型糖尿病を予防

 冠動脈疾患のある人に対し、脂質低下剤であるbezafibrateを投与することで、2型糖尿病の発症リスクが約30%減らし、発症する時期を約0.8年遅らせる効果があることがわかった。冠動脈疾患患者の脂質代謝を改善することが、2型糖尿病のリスク低下につながることを示す研究結果は、これが初めてという。これは、イスラエルCardiac Rehabilitation InstituteのAlexander Tenenbaum氏らの研究で明らかになったもの。米国心臓病協会(AHA)のCirculation誌5月18日号での発表に先駆け、5月3日からインターネット上で公表している。

 Bezafibratは低比重リポ蛋白(LDL)値とトリグリセリド値を下げ、高比重リポ蛋白(HDL)値を上げる効果があるという。Tenenbaum氏らは、冠動脈疾患患者303人を2群に分け、その156人にbezafibrat400mgを、残りの147人にはプラセボを、それぞれ1日1回投与し、平均6.2年追跡した。被験者の年齢は42〜74歳、空腹時血糖値は110〜125mg/dlだった。なお、スタチン系薬剤を服用している人はなく、またアンジオテンシン変換酵素(ACE)を服用する人は少なかったとしている。

 その結果、投与群の2型糖尿病を発症するリスクは、プラセボ群の0.70(95%信頼区間:0.49〜0.99)倍だった。また、2型糖尿病を発症するまでの平均期間は、投与群が4.6年だったのに対し、プラセボ群は3.8年だった。追跡期間中、新たに2型糖尿病の診断を受けたのは、投与群で66人(42.3%)、プラセボ群で80人(54.4%)だった。

 詳しくは、Circulation誌のアブストラクトまで。(當麻あづさ、医療ジャーナリスト)

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