2004.04.21

【投稿】他人への配慮が習慣化できる努力を、特に医療従事者に対して

 診療行為や診療補助行為そのものが、よくよく考えてみますと他人様に対する配慮そのもののような気がしている昨今です。

 換言しますと他人様に対して、配慮することができない人やしたくない人は医療従事者には不向きであると言わざるを得ないような思いがします。

 昨今ドクターハラスメントと銘打って、患者さんに対して配慮のない言葉を浴びせたり、診療行為の中に猥褻行為と誤解されても仕方のない場面を作ったりと、医師を代表に医療従事者全体に対する厳しい意見が矢継ぎ早に浴びせられてきています。

 私は2004年現在47歳になっている男ですが、子供の頃を回想しますと医師の威厳のあったことや医療従事者への自然と沸き起こる畏敬の念、そんな思いを抱いていたことを思い起こしますし、赤ひげ先生と呼ばれる近所では評判の良い医師が一人はいたものでした。

 その頃にも、ドクハラや医療事故・医療ミスは存在していたものと推測されますが、何故今日のように顕在化しなかったのでしょうか。

 また赤ひげ先生は存在していても、何故その存在がわからなくなってしまったのでしょうか。

 私は医療従事者の代表である医師という職業に備わっている最低条件に二つが存在しているように思われます。一つは社会的にとても高い地位と、もう一つは高額な報酬ではないのでしょうか。

 一つ目の社会的の高い地位とは具体的に高学歴だけでは、勝ち取れないように私は考えます。やはり一番大切なのは人徳のような気がします。ではその人徳とはどのようにすれば身についてくるのかといえば、表題の他人に対する配慮の度合いではないのかと考えます。

 正に赤ひげ先生とはこのような素地の身についた医師ではなかったのはないのでしょうか。

 私の子供の頃は医師というだけで尊敬されましたし、あの人は人格者だというワッペンが張られたように記憶しています。

 翻って現在はどうでしょう。ごく一部の医師の所業は高額な報酬獲得のみのために奔走し、患者さんへの配慮を欠き、物扱いに終始する有様に遭遇することもあると聞き及びます。

 人を診ずして病気だけを診てしまう「臓器医療」の弊害や医学教育のあり方に、多くの疑問が投げかけられているものの一向に巧妙は見えず、医学技術の進歩ばかりが一人歩きしているような昨今ではないのでしょうか。

 医療事故や医療ミス、ドクハラなどに代表されるマイナスな側面ばかりの目に留まる昨今だからこそ、医師の持つ社会的な高い立場が何故医師に備わったかを原点に立ち返ってみても、決して罰は当たらないような気がします。

 医師の持たれている社会的な影響力はご自分が想像されるよりも計り知れない力が存在しているように思われます。その医師が社会的に尊敬されえない立場に陥落してしまったとすればいったいその社会はどうなってしまうのでしょうか。

 世の中には秩序が存在しているように思われます。換言しますとその職業に相応しい社会的な居場所が秩序を構成しているのではないのでしょうか。

 したがって医師は社会的に高い立場におられることが、とても相応しいしそのこと自体が社会の秩序を保つ象徴となっている気がするのです。他の社会的に影響力を持たれている職業も同様ではないのでしょうか。

 今一度、己のおかれている社会的立場を振り返って考えてみようではありませんか。

 理学療法士 西沢滋和

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