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2004.04.12

リズムコントロールは非心血管系死亡を増加させるか

 心房細動例におけるリズムコントロールによる脳塞栓症予防作用をレートコントロールと比較したAFFIRM(Atrial Fibrillation Follow-up Investigation of Rhythm Management)試験において,リズムコントロール群では非心血管系死亡が有意に増加していた。米Columbia大学St. Luke/s Roosevelt病院のJonathan S. Steinberg氏らによる本解析の結果は、Circulation誌掲載に先立ち同誌ホームページにて公開されている。

 AFFIRM試験は、65歳以上で脳卒中あるいは死亡の危険因子を有する心房細動 4060例をリズムコントロール群とレートコントロール群に無作為割り付けした二重盲検試験だが、第一評価項目である「総死亡」は両群間に有意差を認めなかった(米New England Journal of Medicine誌2002年12月5日号 を参照)。

 今回のサブ解析で明らかになった死因の詳細を見ると、不整脈死などの心臓死や脳卒中死の頻度は両群間に有意差はなかったが、非心血管系死亡はリズムコントロール群(169例/2033例)で有意に増加しており(p=0.0008 対レートコントロール群 113例/2027例])、個別の原因では「肺疾患」(39例 対 23 例、p=0.04)と「癌」(81例 対52例)による死亡で有意な増加が認められた。

 そこで多変量解析によりこれら死亡の独立した予知因子を探ったところ、肺疾患による死亡では「年齢」と「リズムコントロール群」、癌による死亡では、この二つに加え「男性」、「喫煙」が有意な因子だった。

 リズムコントロール群のおよそ60%がアミオダロンを服用していたため,Steinberg氏らは、リズムコントロール群における非心血管系死亡の増加はアミロダロンの副作用である可能性も示唆するが、最終的には「今回の解析から、特定の薬剤と転帰の関係を説明するのは許されない」としている。

 AFFIRM試験に関しては、「発作性心房細動」と「持続性心房細動」が分けられていないなどの問題点がわが国の研究者から指摘されており(Circulation Journal 2003年9月号を参照)、また使用薬剤 がわが国と大きく異なるため、この結果をそのままわが国の臨床に反映させる必要はないと思われる。

 なお,わが国の心房細動例に対するリズムコントロールとレートコントロールの有用性は,発作性心房細動と持続性心房細動に分けて比較する大規模臨床試験J-RYHTHM(詳細はこちらを参照)にて現在検討中であり,結果報告が待たれる。

 本論文の原題は、「Analysis of Cause-Specific Mortality in the Atrial Fibrillation Follow-up Investigation of Rhythm Management (AFFIRM) Study」。アブストラクトはこちらで読める。(宇津貴史 医学レポーター)