2004.03.28

【日本循環器学会速報】 わが国のPCIの現状が明らかに

 日本では欧米に比べて「PCIの実施率がCABGより明らかに高い」といわれているが、これを実証する研究成果が報告された。岐阜大学の西垣和彦氏(写真)が、大会初日の午後行われたラウンドテーブルディスカッション「今後の保険診療の問題点と対策」で発表した。

 西垣氏らは、内科、循環器および心臓血管外科の標榜科目のある医療機関8274施設を対象に調査。回収できた8268施設について会席した。2000年1月から12月の1年間に実施された冠動脈造影(CAG)、経皮的冠動脈形成術(PCI)、冠状動脈バイパス手術(CABG)などの実施状況を明らかにした。

 それによると、CAGの実施件数は54万3046件、人口10万人当たり428件、PCIは14万6992件、人口10万人当たり116件、CABGは2万3584件、人口10万人当たり19件だった(表)。人口10万人当たりの冠状動脈疾患(CAD)は、米国が4584件に対して、日本は3199(2000年)であることから、CADに占めるCAGの割合は「日本は米国より1.4倍多い」ことが分かった。

 わが国では1997年にも九州大学循環器内科学教授の竹下彰氏らが同様の全国調査を行っており、その時の成績と比べると、日本ではPCI実施機関が1023施設から1240施設に増え、PCI総数も10万9788件から14万6992件へ増加していた(34%増)。医療機関当たりの平均実施件数は107件から119件に、人口10万人当たりPCI件数は90件から116件に増えていた。医療機関当たりの実施件数は111件から136件へ23%増、新しく取り組みだした医療機関は273施設だった。

 PCI施行例が増えている理由としては、主として1施設当たりのPCI施行数が増加したためだという。

 一方のCABGは、実施機関が486施設から581施設に、総数は1万8121件が2万3584件に増加(30%増)。また、医療機関当たりの平均実施件数は37件が41件に、人口10万人当たり件数は14件が19件に増加した。医療機関当たりの実施件数は39件から44件に13%増、新しく取り組みだした医療機関は154施設だった。

 CABG施行数の増加は、施設数の増加に負うところが大きいとの見方だった。

 では、年間14万件のPCIはどのような施設で行われているのか−−。西垣氏の示したデータでは、PCI施行施設の59.8%は年間施行数が100件に満たず、そのような施設でPCIを受けた患者はわが国PCI例の20.9%にのぼった。またPCI例の46.9%が、年間施行数200件未満の施設でPCIを受けていた。年間400件以上のPCIを行っている施設でPCIを受けたのは20.7%だった。

 年間2万件のCABGの方は、CABG施行施設の91.7%は年間施行数が100件に満たず、そのような施設でCABGを施行された患者は、全CABG例の71.2%にも上る。さらに、70.9%の施設は年間施行数が50件未満、そこで37.2%の患者がCABGを受けていた。

 CABGに対するPCIの割合でみると、全体で6.23と高いものだった(図)。「0−3」の施設が30%、「3−5」が20%、「5−8」が23%、「8以上」が27%だった。

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