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2004.01.22

【ヘルスケア2004速報】 既存高齢者施設の改修は、リビングダイニングの分散から

 「大部屋型の高齢者施設の改修は、個室の整備より、リビングダイニングの分散から考えた方がやりやすい」。

 厚生労働省が諮問した委員会のメンバーとして、既存高齢者施設の改修方法を検討している井上由起子氏(国立保健医療科学院主任研究員)は、1月21日に都内で開かれた講演会でこう語った。

 「既存施設の増改築術─個室・ユニット型に対応するために」と題したこの講演会は、日経BPが1月21日から23日まで東京ビックサイトで開催している、高齢者介護施設関係者向けの展示会「ヘルスケアフォーラム2004」の催し物として開かれた。会場には250人を超える参加者が訪れた。

 新規につくられる高齢者施設では、居室を個室にすることや、小規模単位で介護するユニットケアを導入することが主流となりつつある。そのため、大部屋や大食堂で介護している古い施設をどう改善するかが課題になってきた。 

 井上氏が個室整備よりリビングダイニングの分散化を薦める理由の一つは、介護スタッフが対応しやすいからだ。これは、改修した施設への調査で分かったことだという。

 もう一つは、大部屋での暮らしに慣れた高齢者の中には、個室を好まない人がいるからだ。これに関連して「改修費の補助金制度をつくる際も、個室の基準は緩和すべきだ」との意見を述べた。

 三つ目の理由は、既に個室をいくつか持っている施設では、新たに個室をつくっても新旧の違いを理解してもらうのが難しく、ホテルコストを徴収しづらいからだ。

 さらにアドバイスとして、「個室も分散型リビングダイニングもいきなりたくさん設置すると介護に支障が出るので、少しづつ導入した方がいい」と付け加えた。

 なお、井上氏が参加する既存施設の改修方法に関する検討委員会は、2003年度から2カ年に渡って開かれる。初年度の報告書は2月ごろまとまる予定だ。
(荒川尚美、日経アーキテクチュア