2004.01.14

厚労省、ガムタバコに関する注意を喚起

 厚生労働省は1月9日、東京などで試験販売されているガムタバコについて、形状などから食品と誤解され、小児の誤飲も懸念される、などと注意を促す内容を同省のホームページにQ&A形式で掲載した。

 厚労省のメッセージで取り上げられたガムタバコは、スウェーデンのSwedish Match社の「ファイアーブレイク」。価格は280円で、2003年10月から東京都内や一部大都市のタバコ店で試験的に販売を行っている。2003年9月11日付けで財務省の認可を受けたたばこ事業法上のタバコであり、たばこ税の対象になっている。

 厚労省は穏やかな表現を用いながらも、1.ガムタバコはタバコの一種であり、健康への悪影響や依存性が指摘されていること、2.形がチューイングガムに似ているため、小児の誤飲が懸念されること、3.服用が目立たないため、未成年者の使用が心配されること、4.禁煙補助剤だと誤解されかねないこと、など健康被害が起きる可能性を指摘している。

 なかでも心配なのは、乳幼児の誤飲・誤食だろう。ファイアーブレイクは、錠剤や菓子などの包装に用いられるPTP(press through package)シートから押し出してしまうとチューイングガムなどと見分けがつかなくなる。ファイアーブレイクには葉タバコが含まれていて、1粒当たりのニコチン量は1.0mgになる。乳児の場合、ニコチンの致死量は10〜20mgとされるので、単純計算では1箱分以上食べると生命の危険がありうることになる。一般的な紙巻きタバコにはニコチンが10〜25mg程度含まれるので、紙巻きタバコに比べれば危険性は少ないが、甘みがつけてあるため、好んで食べてしまう可能性もある。

 喫煙に対する制約が厳しくなる一方の今日、Swedish Match社はファイアーブレイクを喫煙の代替手段となり得る世界戦略商品と位置付けている。世界に先駆けて東京で試験販売を行っているのは、「日本が紙巻きタバコでは世界第3位の消費国であり、男性の喫煙率がいまだに50%を超える喫煙大国だから」(同社新規事業開発担当のChester Anderson氏)だという。

 ファイアーブレイクの試験販売は今年3月末まで続けられる予定だ。その後、全国販売に切り替えるかどうかは未定だという。試験販売を開始した当初は、小田急線沿線の駅売店での販売や車内吊り広告なども実施していたが、2003年12月以降はタバコ店の対面販売に限っている。

 ファイアーブレイクについては、日本口腔外科学会と日本口腔衛生学会が共同で認可中止を財務省に申し入れたほか、たばこ問題情報センターなどの市民団体が東京地方検察庁や厚生労働省に対して食品衛生法違反の捜査を行うよう申し入れるなど、試験販売に対する反発の動きがあり、厚労省の今回の情報提供もこうした活動に背中を押された格好だ。

 ガムタバコに関する厚生労働省の情報提供ページはこちら、Swedish Match社のファイアーブレイク戦略に関する同社のコメントはこちらまで。(中沢真也)

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