2004.01.07

選択の幅広がる進行大腸癌の化学療法、S-1が適応取得

 進行大腸癌の治療に使える、経口抗癌薬の選択の幅が広がった。5-フルオロウラシル(5-FU)のプロドラッグ合剤である「ティーエスワン」(S-1、一般名:テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム)が、昨年12月19日に結腸・直腸癌に対する適応を取得したためだ。昨年9月から実施できるようになったホリナート・テガフール・ウラシル療法(UFT/LV療法)と並び、進行大腸癌の外来・在宅治療の中核となる薬物療法となる可能性が出てきた。

 5-FUは進行大腸癌に対して効果が認められている主要な静注薬剤の一つで、同薬の効果増強薬であるホリナート(LV)との併用療法(5-FU/LV療法)は、進行大腸癌に対する標準治療となっている。しかし、外来管理がより容易な経口薬に対するニーズは高く、様々な5-FU系経口薬が開発されてきた。

 昨年7月、「5-FU/LV療法と同等の効果と安全性」を示す初めての経口療法として、UFT/LV療法が承認。9月に経口薬のホリナート(商品名:ロイコボリン、ユーゼル)が発売され、テガフール・ウラシル(商品名:ユーエフティ)との併用療法が可能になった。今回のS-1はそれに続く第2弾で、経口5-FU系薬による、科学的な根拠に裏付けられた治療として広く普及するだろう。

 なお、海外では進行大腸癌治療に既に使用されており、臨床現場からの期待も高いもう一つの5-FU系経口薬、カペシタビン(商品名:ゼローダ)は、結腸・直腸癌に対しては第2相試験中。現在、厚生労働省が検討を進めている“海外実績に基づく適応拡大”も期待できるところで、イリノテカン(商品名:カンプト、トポテシン)などとの併用療法も含め、進行大腸癌の化学療法が大きく変わる段階に来たと言えそうだ。(内山郁子)

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