2003.12.09

【性感染症学会速報】 妊婦の性器クラミジア感染、既婚者は最近5年で2.2倍に増加 

 性器クラミジア感染症がごく普通の既婚夫婦に広がり始めている。札幌市では1990年代中盤にいったん減少した妊婦のクラミジア感染が再び増加に転じ、既婚妊婦の感染率は1997年からの5年間で2.2倍に増加した。札幌市の札幌東豊病院の南邦弘氏が、12月6日の一般口演「合併妊婦」で報告した。

 南氏らの研究グループは、1996年から2002年に札幌東豊病院を受診した既婚妊婦1万2549人と未婚妊婦3505人に対してPCR法により子宮頚管のクラミジア感染を調査した。その結果、未婚妊婦の平均陽性率は14.4%で、既婚妊婦の平均陽性率2.9%の約5倍に上り、全期間、全年齢層を通じて高値を示した。一方、年次推移を見ると、未婚妊婦では明白な傾向がないのに対して、既婚妊婦では、1996年の2.6%から1997年には2.0%にいったん減少した後、一貫して上昇を続け、2002年には4.4%と1997年の2.2倍と大幅に増加していることが分かった。

 南氏は、「1986〜1990年に高値を示した既婚妊婦の陽性率がいったん沈静化したのに、1990年代後半に再上昇に転じ、ごく普通の夫婦にクラミジア感染が広がる傾向を示している。今後、他の性感染症、特にHIVが家族に広がる可能性が心配される」と警戒の必要性を訴えた。(中沢真也)

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