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2003.12.05

タカラバイオ、増幅装置不要のSARSウイルス検出キットを研究用試薬として発売

 タカラバイオは12月4日、SARSウイルスを簡便に検出する研究用試薬「Bed-Side ICAN SARS virus Detection Kit」を、12月22日から発売すると発表した。等温で遺伝子を増幅する「ICAN法」でSARSウイルスの遺伝子断片を増幅、金コロイド標識抗体によるクロマト・ハイブリダイゼーション法で検出する。10コピーの遺伝子を約1時間で増幅し、目視で判定できる点が特徴。価格は32キット4万円だが、あくまで研究用試薬であり、キットにRNA抽出用試薬は含まれていない。

 タカラバイオは研究用のSARSウイルス検出キットとして、リアルタイム逆転写ポリメラーゼ連鎖反応法(RT-PCR法)用のキット(タカラバイオ社製とドイツArtus社製、関連トピックス参照)を既に2種類販売している。リアルタイムRT-PCR法には、通常のRT-PCR法よりも短時間で目的遺伝子をより正確に定量できるという利点があるが、専用の増幅装置が必要で実施できる施設が限られていた。

 今回発表されたキットは、同社が開発した「ICAN法」(Isothermal and Chimeric primer-initiated Amplification of Nucleic acids)を用いるもの。栄研化学の「LAMP法」(関連トピックス参照)と同様、60度前後の一定の温度で、1時間程度でDNA断片を増幅できる。両手法とも、保温器さえあればどこでも遺伝子増幅が行える点が強みだ。

 栄研化学もLAMP法によるSARSウイルス検出キットを開発しているが、タカラバイオとの大きな違いは、栄研化学が最初から研究用試薬ではなく診断薬としての承認を目指していること。判定に検出装置が必要な点も異なる。どちらの製品が、あるいは戦略が優れているかは現段階では不明で、しばらくは目が離せなくなりそうだ。

 この件に関するタカラバイオのニュース・リリースは、こちらまで。(内山郁子)

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