2003.12.01

2003年世界の新たなエイズによる死者は300万人と過去最高に、WHO報告書

 世界保健機関(WHO)は11月25日、2003年にエイズウイルス(HIV)感染によって死亡した人は、世界で約300万人と、過去最高に上ると報告した。同年の新たな感染者は約500万人で、合わせて世界のHIV感染者は過去最高の約4000万人となった。WHOは、世界のHIV流行に減少の兆しは見られない、としている。

 これは、WHOとJoint United Nations Programme on HIV/AIDS (UNAIDS)が、世界のHIV流行に関する報告書「AIDS Epidemic Update 2003」の中で公表したもの。

 これによると、地域別では感染者が最も多いのはアフリカ亜サハラ地域で、その数は約2660万人、2003年の新たな感染者は約320万人だった。中でも南アフリカ地域は、人口比が世界の2%なのに対し、世界のHIV感染者の3割が住んでおり、大人の5人に一人が感染者だという。国別では、南アフリカの感染者が最も多く、約530万人に上った。

 一方、HIVは子供にも着実に感染を広げているようだ。2003年の新たな感染者のうち、15歳未満の数は約70万人、感染者の合計では約250万人、死者は約50万人と見られている。

 さらに同報告書では、中国やインドネシア、ベトナムといった、近年までHIV感染者があまり報告されていなかった地域で、特に不法注射薬の常用者や、売春行為を行う人の間で、急激に増えてきていると警告している。例えば中国の新疆ウイグル自治区や広東省では、不法注射薬常用者のそれぞれ35〜80%と20%に、HIV感染者が見つかっている。

 なおWHOらは、昨年も同様な報告書を発行しており、その中で、世界のHIV感染者総数は約4200万人と推定していた。この数は今年の推定数を下回っているものの、WHOらはこの点について、調査の精度が上がったことによるもので、HIV感染者の数は減っていないと強調している。

 報告書の中身は、UNAIDSのホームページで閲覧できる。また、WHOによるニュース・リリースは、こちらまで。(當麻 あづさ、医療ジャーナリスト)

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