2003.11.14

【AHA2003速報】 低炭水化物食は脂質代謝改善で好結果、肥満者に対する無作為比較試験で判明

 低炭水化物食(ローカーボダイエット)は、高度肥満者の脂質代謝改善に好結果をもたらすようだ。132人と比較的大きなサンプル数の無作為介入試験で既存のカロリー制限食と低炭水化物食による1年間の介入を実施した結果、トリグリセリド(TG)とHDLコレステロール(HDL-C)について、低炭水化物食の方がより好ましい結果が得られることが分かった。Pennsylvania大学のFrederick F. Samaha氏が11月12日のポスターセッション「Diet and Cardiovascular Risk」で発表した。

 Samaha氏らの研究グループは、BMIが35以上の132人を無作為に2分し、低炭水化物食群と、脂肪と摂取エネルギー量を制限した一般的な低カロリー食群のいずれかに組み入れた。低炭水化物食群は、炭水化物を1日30g以下に制限した。通常の低カロリー食群には、1日当たり500kcalの摂取エネルギー量低減と、脂肪からのエネルギー摂取を30%未満にするように指示した。1次エンドポイントとして体重減少を、2次エンドポイントとしては、動脈硬化要因となる代謝リスク要因を設定した。

 1年間の介入の結果、体重減少は、低炭水化物食群では平均5.1kg、通常低カロリー食群では平均3.1kgだったが有意差はなかった(p=0.16)。ただし、低炭水化物食群では最初の2カ月間で急速に体重が減少し、6カ月目以降はやや体重が増加した。2、4、6カ月の時点では通常低カロリー食群に比べて有意に体重が減少している。

 一方、TGとHDLコレステロールでは、両群に違いが見られた。通常低カロリー食群では、開始時に平均176mg/dlだったのに対して、介入1年後には179mg/dlと変化が見られなかったが、低炭水化物食群では、開始時が188mg/dlだったのに対して、1年後には147mg/dlと減少し、両群で有意差が見られた(p=0.014)。またHDLコレステロールは、通常低カロリー食では開始時の41mg/dlから1年後には37mg/dlとわずかに減少したのに対し、低炭水化物食では、開始時に41 mg/dl、1年後には40 mg/dlと変化がなく、両群には有意な差が見られた(p=0.028)。他の脂質やインスリン感受性などには有意差が見られなかった。

 これらの結果からSamaha氏は、低炭水化物食を「少なくとも炭水化物の過剰摂取による肥満者にとっては、より好ましいダイエット方法」としている。1日の炭水化物摂取量を30g以下に抑えるという制限食はかなり厳しいものであり、低炭水化物食群で6カ月目以降に体重などの指標の悪化が見られるのは、制限を守りきれなかった可能性がありそうだ。(中沢真也)

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