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2003.11.10

【AHA2003速報】 大気汚染がひどい日は心臓発作にご用心、大気中の微粒子量と強い相関 

 フランスの都市部で急性心筋梗塞の発症と大気汚染の関係を調査したところ、一定以上に大気汚染がひどい日には発症が大幅に増え、なかでも10μm以下の微粒子(PM10)の濃度が強く関与していることが明らかになった。フランスDijon大学循環器科のYves Cottin氏が、11月9日のポスターセッション「New and Old Markers of Risk in ACS(ACS:Acute Coronary Syndrome)」で報告した。

 Cottin氏らの研究グループは、バーガンディ地方のDijon市とその近郊における一般住民を対象に実施された観察研究RICO(observetoiRe des Infarctus de Cote-d’Or)の記録を基に、2001年1月1日から2002年12月31日までの2年間に、心筋梗塞の発作で入院した322人を対象として、大気汚染の状況と心筋梗塞の発作の発生頻度を調査した。

 大気汚染の指標としては、フランスの都市部で常時測定されている10μm以下の微粒子(PM10)、オゾン、亜硫酸ガス、二酸化窒素、一酸化炭素と、ATMOインデックスを採用した。ATMOは亜硫酸ガス、塵、二酸化窒素、オゾンの濃度を基に大気汚染の状況を1〜10の10段階(10が最もひどい)で表す指標で、フランスでは広く用いられている。

 調査の結果、平均では1日当たりの心筋梗塞の発生は0.44(イベント/日)だったが、ATMOインデックスが7以上の時は、7以下の日に比べて発生頻度が約2.6倍と激増し、有意に発症が増えた。大気中のPM10の量と発症との関係を見ると、濃度が25μg/m3以下の時には発症率は0.34だが、25μg/m3以上では0.65と1.91倍に激増した。そのほかのオゾン、亜硫酸ガス、一酸化炭素、二酸化窒素などは発症との関連性は見られなかった。

 ATMOインデックスが7を超える汚染のひどい日は年間18日に過ぎないが、Cottin氏は、心臓発作の既往がある場合には外出を控えるなどといった自己防衛を勧めている。

 国内では10月1日から東京都など首都圏でディーゼルエンジン車に対する規制が始まっている。Cottin氏らの研究成果は、ディーゼル微粒子とも呼ばれるPM10の健康被害を明らかにしているだけに、こうした規制の有力な根拠になりそうだ。(中沢真也)