2003.10.19

【DDW-Japan 2003速報】 胃・大腸集検の受診者は前年より減少、精検受診率に職域と地域で大差

 日本消化器集団検診学会が毎年実施している、消化器集団検診の全国集計最新版が、10月17日のDDW-Japanで報告された。胃、大腸と食道、肝胆膵のそれぞれについて、2001年度に実施された集団検診の成績をまとめたもの。地域や職域などで胃の集団検診を受けた人数は532万人(前年度583万人)、大腸は320万人(前年度346万人)で、いずれも前年より減少した。また、「要精検」と判定された人の精密検査受診率に、職域検診と地域検診で大差があることも示され、特に職域での精検受診率の向上が急務であることがわかった。

 まず、胃の集団検診(X線撮影によるもの)については、総受診者数が532万人と前年より約50万人減少したことが判明。地域検診と職域検診がほぼ半々で、要精検率はいずれも10%前後となった。しかし、精検受診率は、地域検診が82.0%であるのに対し、職域検診では54.5%と、依然として大きな差があることが判明。総受診者に対する癌発見率も、地域検診が0.152%、職域検診が0.044%と、3倍以上の差が付いた。報告を行ったパブリックヘルスリサーチセンター福岡診療所の古賀充氏は「職域検診の精検受診率の低さに加え、職域では受診者年齢が地域検診より若い(40歳未満受診者:職域18.0%、地域2.7%)ことも、癌発見率の低さに関与している」とみる。

 X線の間接撮影(検診受診者数:437万人)と直接撮影(同:94万人)との比較では、要精検率はどちらも10%前後でほぼ変わらなかったものの、受診者比の癌発見率は間接撮影(0.106%)で直接撮影(0.083%)より高くなった。ただし、精検受診率にも差があり、間接集検では73.6%と、直接精検(55.9%)より高かった。発見された胃癌の4割は直径2cm以下で、7割は深達度が浅く(m、sm)、外科切除や内視鏡治療で癌が取り切れた(根治度A)人の比率は8割を超えた。

 また、今回の集計では、X線撮影時のバリウム量とバリウム濃度について、従来より細分化した集計を実施。ここ数年の「高濃度・少量」シフトを反映し、重量/容量比で180w/v%以上の高濃度バリウムを、間接撮影実施施設のほぼ半数、直接撮影実施施設の3分の2が用いていることがわかった。バリウム量は200ml未満の施設が直接撮影で7割、間接撮影で7割超となった。

 なお、一部機関を対象とした内視鏡胃集検の全国集計では、受診者4万4436人中130人(0.29%)で胃癌が見付かり、うち88人(0.20%)が早期癌だった。年齢補正などが行われていないため単純な比較はできないが、内視鏡検診の癌発見率の高さを印象付けるデータとなった。

 もう一つの大規模消化器検診である大腸集検の受診者数は320万人で、前年より26万人減少。検診法は検便法、あるいは検便法に問診を組み合わせる方法が大半で、2日法が95%を占めた。要精検率は6.8%で地域検診(7.2%)が職域検診(6.1%)よりやや高いが、精検受診率は地域が72.9%と職域(46.0%)を大幅に引き離した。癌発見率は、地域が0.182%と、単純比較で職域(0.063%)の3倍になった。

 このほか、内視鏡による食道集検(受診者総数:44万人、癌発見率:0.01%)、腹部エコーによる肝胆膵集検(受診者総数:70万人、癌発見率:原発性肝臓癌0.014%、転移性肝臓癌0.004%、胆嚢癌0.011%、膵臓癌0.006%、腎臓癌0.016%)についても報告が行われた。

 この全国集計については、年次ごとの詳細な集計結果が、資料集の形で販売されている。詳しくは、同学会ホームページのこちらまで。(内山郁子)

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