2003.09.12

食事制限+運動のダイエット効果はやはり確実、7〜10%の減量を実現

 半年後に6〜12%の体重ダウン、1年後にもほとんどリバウンドがなく、循環器系にもよいというダイエット法が米国における研究で効果を裏付けられた。食事制限と運動の継続が基本となる方法で、肥満で運動不足の20代から40代の女性201人を対象として、運動と1日1500kcal以下の食事制限を行った結果、半年後には平均6〜12%の体重減少を実現、1年後でも5〜14%とほぼ減量を維持できた。実験参加者には全員に家庭用のトレッドミル(ベルトコンベア方式の電動ランニングマシン)が配布され、期間中1〜2週間に1度のミーティングと電話連絡が行われた。おそらくそれが本研究の成果のカギと思われる。研究結果はJournal of American Medical Association(JAMA)誌2003年9月10日号に掲載された。

 Pittsburgh大学身体活動体重管理研究センターのJohn M. Jakicic氏らの研究グループは、2000年1月から2001年12月にかけて、21〜45歳の運動不足で過体重の米国の女性201人を対象として、4段階の運動負荷と600〜700kcalの食事制限を組み合わせたダイエットプログラムの無作為化介入試験を実施した。半年間を超える運動と食事制限の長期無作為化介入試験はこれまでに例がないという。

 試験対象としたのは、BMI(Body Mass Index;体重を身長の平方で除した値で肥満の指標)が27〜40で、運動不足(運動時間が週に3日未満、1日20分間未満)の女性。心筋梗塞の履歴、妊娠中または妊娠の予定、代謝や心拍数に影響を与える薬剤の処方を受けているなどを排除条件とした。対象者の81%は白人である。試験期間中、妊娠や不慮の死亡などによる脱落を除き、196人が1年間以上試験を継続した。

 介入は週に1000kcalまたは2000kcalというかなり多い運動量で、これに運動負荷の高低を組み合わせた4段階の運動負荷に対して無作為に参加者を割り付けた。参加者には運動負荷に加え、1日のエネルギー摂取量を1200〜1500kcal、脂肪摂取量を全エネルギー摂取の20〜30%にする食事制限を課した。参加者の開始時点の平均体重は87.4kg、平均BMIは32.6だった。

 参加者には全員にトレッドミルが供与された。トレッドミルは分速80.4m(時速約4.8km)に固定され、負荷の大小は傾斜を変えることで実現した。参加者に対しては、最初の24週間は毎週1回、以後は2週間に1回のミーティングを行い、さらに後半の6カ月間には2週間に1度、スタッフから電話をかけた。

 その結果、6カ月後には、運動負荷別グループにより平均8〜11%、7.1〜9.4kgの体重減少が実現した。1年後にはわずかなリバウンドが見られたが、開始時点から7〜10%の体重減少を維持していた。最大酸素摂取量も13.5〜24.5%向上し、最大心拍数(220−年齢)の85%に達するまでの時間も開始時点と比較すると2.8分〜3.3分遅くなった。ただし、運動負荷と体重減少には有意差は見られなかった。

 本研究は全数に食事制限を施しており、食事制限を除いた運動負荷だけの影響は論じていない。運動負荷が体組成に与える影響についても分析していない。また、どの介入群でも有意差なく大きな減量効果が得られていることから、より低い負荷による介入結果を検討する必要もありそうだ。しかし、肥満の解消と呼吸・循環器系に対する介入効果の高さは大きく、電動トレッドミルの供与やミーティング、電話などの介入コストが、肥満の解消による健康の改善に見合うとしたら、医療経済学的にも意味のある結果と言える。

 本論文の原題は、「Effect of Exercise Duration and Intensity on Weight Loss in Overweight, Sedentary Women: A Randomized Trial」、アブストラクトはこちらまで。(中沢真也)

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